同人音声の部屋

同人音声および催眠音声(トランス/暗示ボイス)について、平均3000文字程度のオリジナルレビューを掲載しているサイトです

カテゴリ:同人音声 > 全年齢向け

   ● 【耳かき】くつろぎ屋 美鈴編【催眠】
   ● 和み隠れ家 あまえた楼 さくら
   ● キミまでの距離スキからの時間~笹本チナ~
   ● はかた弁の年上カノジョ
   ● 休日屋 ━真家━
   ● 気になるあの子
   ● お家でゆっくり癒されませんか?PLUS
   ● 【耳かき・マッサージ】君の彼女【吐息】
   ● 方言を話す彼女はかわいい! ~大阪の年下彼女ちとせ~
   ● ほんわか魔女の癒しお届け便


【耳かき】くつろぎ屋 美鈴編【催眠】

サークル「LYTO」さんの同人音声作品(全年齢向け)。
昨年から効果音や環境音に特化した作品を作られているサークルさんです。

今回紹介する作品は、明るくて優しい声と態度の店員さんが
5種類のサービスでお客に癒しを提供します。

王道的なものから珍しいものまで比較的バリエーションに富んだサービスが行われており
彼女は堅苦しさを感じさせない程度にこちらを気遣いながら
リアルな音を多めに鳴らして自然な癒しが得られる環境を整えます。

作中に催眠を施すシーンも登場するのですが、催眠以外の成分の方がずっと強いと判断し
当サイトでは同人音声側で紹介をさせていただきます。
短時間で最大限の癒しを
くつろぎ屋の店員「美鈴」から癒しのサービスを受けるお話。

「お客様 こちらです どうぞ お入りくださいませ」
美鈴は明るくて可愛い声の女の子。
くつろぎ屋に初めてやって来たお客に丁寧な挨拶をすると
お店で行うサービスの内容を簡単に説明します。

くつろぎ屋は元々耳かき専門店だったらしいのですが
お客の要望や情勢の変化を受けて現在は全部で5つのサービスを行っています。
具体的には肩叩き、爪切り、耳かき、催眠、添い寝です。
今回は彼がそのすべてを順番に受けていく様子を聴いて楽しみます。

爪切りと催眠はこの手の作品だとかなり珍しいですね。
特に催眠は単体のサービスとしては最も長い14分もの時間を割き
軽い誘導をしてから心にプラスに働く暗示を入れ、その後に覚醒させます。

また耳かきは本編とおまけを合わせると20分近くも時間が取られており
リアルな効果音を実際の耳かきに近い動きで堅実に行っています。
催眠に注目しがちな内容ですが、私は耳かきこそが本作品最大の魅力だと思ってます。

「かしこまりました 精一杯 ご奉仕させていただきますね」
お相手を務める美鈴は店員らしい言葉使いをしつつ
サービスの合間合間に軽い雑談を振ってくるフレンドリーな女性。
お客に好意を抱くみたいな踏み込んだ描写はないものの
彼がリラックスしてこのひと時を過ごせるように親切丁寧に接してくれます。
雰囲気を重視した癒しのサービス
序盤に登場するサービスは肩叩きと爪切り。
前者は座った客の後ろで拳を使って優しく叩き
後者は右手→左手の順に切ってヤスリで形を整えます。

専門店よりは家でするのに近いサービスですね。
時間はどちらも3分程度とかなり短いです。

肩叩きは彼女が「とん とん」とセリフで叩く様子を表現し
その都度声の位置が左右に微妙に移動します。
効果音らしきものは特に聞こえませんでした。

爪切りは「パチン」と軽快な音を左右どちらもどちらも10回程度鳴らし
仕上げのヤスリも「すりすり」と言いながらほんの僅かな摩擦音が鳴ります。
単体のサービスとしてはどちらもボリュームが物足りませんが
くつろぎ屋にいる雰囲気を作る掴みとしての役割は十分に果たしていると思います。

メインのサービスはその次に登場する耳かき(約10分)。
膝枕の状態で右耳→左耳の順に綿棒を使ってお掃除します。
ちなみに使用器具は作中では明言されておらず、音を聴いた感じでの判断となります。

綿棒は「ずり しょり」とふわふわしていて若干ざらつきのある音が使われており
耳の壁をなぞるように前後にゆっくり動きます。
耳かき棒に比べて明らかに広がりのある音、動きに若干の引っ掛かりがある点など
綿棒として見る分にはかなり優れたものを持っています。
動かし方も微妙に変化していてリアリティがあり、耳にこそばゆい刺激を与えてくれます。

「ご自身で耳かきをする時は やはりお風呂あがりがよろしいかと思います」
最中の美鈴は効果音を楽しみやすいようにわざと無言になることが多く
合間に簡単な耳かき知識を披露するあたりに留めてあります。
実際のところ音が良いのでこの演出が正解だと思います。
催眠の世界でより大きな癒しを
本作品ならではのサービスと言えば4番手にあたる催眠コース(約14分)。
横になった状態で彼女に催眠をかけられます。

「これは 筋弛緩法と言って 催眠の準備としては科学的に効果があるんですよ」
内容は手、腹、太もも、脚、顔に順番に力を入れて直後に抜く筋弛緩法の後に少し深呼吸を挟み
30カウントを数えて深化させ、メインとなるリフレッシュの暗示を入れます。
誘導が約8分、暗示が4分とかなりコンパクトな作りです。
催眠を知らない人のために上のセリフのような軽い説明もしてくれます。

しかし、この音声を聴いて実際に催眠に入れる人は皆無でしょう。
その理由は大きく2つ。
ひとつは誘導時に暗示をほとんど入れてこないこと
もうひとつは技術の行使において色々と残念な部分が見られることです。

前者は筋弛緩法の際は力を入れる合図と抜く合図を言うだけ
深化にあたるカウントも基本的には数を数えるだけです。
そしてこれらを行った後に彼女は彼が催眠に入ったと判断し、ようやく暗示を入れ始めます。

8分という極めて短い時間で聴き手を催眠状態に誘導する場合
筋弛緩法では力を抜いた直後に「力が抜けて気持ちいい」と暗示を入れたり
カウントの時は数カウントごとに深化を促す暗示を挟み、0の後にも暗示を入れたほうがずっと効果的です。
具体的には「意識がずーんと沈む」「頭の中が真っ白になる」などです。

筋弛緩法を施すのもカウントを数えるのも、結局は暗示を入れやすくするために行うのです。
それなのに暗示を入れてこないのでは本末転倒です。
「彼女が言葉で誘導してくれないから催眠には入れない」というのが私の考えです。
実際に聴いた結果、催眠特有の感覚が一切しなかったのもあります。

後者は筋弛緩法ではパーツごとの時間が短く、力を入れきる前に脱力させていること
深呼吸の時間を吸う時、吐く時共に3秒に定めていること
カウントの数えるペースやトーンが常に一定なことなど
催眠として聴いた際におかしいと思う部分がいくつかあります。

「そんな細かいこと気にするなよ」と思われる方がきっといるでしょう。
でも催眠はそういう部分の積み重ねで成り立っているのです。
催眠音声のサークルさんは上の3点をすべて気にしながら製作されています。
本作品は特に時間が短いからこそ技術の行使により高い完成度が求められます。

以上のことから催眠コースは品質的に大変厳しいと私は考えています。
耳かき好きなら
メインのサービスにあたる耳かきが魅力的な作品です。

明るくて人懐っこい店員さんが初めて来たお客がリラックスできるようにと
親しげに語りかけながら様々な癒しのサービスを提供します。
中でも耳かきは彼女が自信を持ってるだけあって
音と動きの両方が自然で聴いてると心地よくなってきます。

おまけにあたる2つの音声でも同様のやり方で耳かきをしてますし
耳かきの効果音を楽しみたい人には十分におすすめできる内容になっています。

それ以外のサービスについては専門店にしてはボリューム不足だったり
催眠のクオリティが残念だったりと色々気になる部分が見られます。
ですが本作品は価格が200円と非常に安く、内容に納得した上で聴くならまず損はしません。
この手軽さもひとつの魅力ではないかなと。

催眠は私は聴く前の時点でエロトランスさんの「リアルヒプノ」のように
直前の3つのサービスを通じて催眠とまったく関係ない方向から癒しを提供し
暗示を受け入れやすい環境を作り上げたところで軽い深化をして本題の暗示を入れる、みたいな
複合的な展開を期待していました。

それができる状況だったのに古典系のごく普通の催眠に流れたのが残念でなりません。
私がこの作品を同人音声側で紹介したのにはそういった事情があります。

従来の専門店にちょっぴり個性的な要素を交えた作品です。
耳かきに興味を持った方にのみおすすめします。

おまけは「耳かきコース(アンコール)」と「耳かき系女子番外編#01」です。

CV:瀬戸陽子さん
総時間 本編…42:01 おまけ…11:02

オススメ度
■■■■■■□□□□ 6点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は5点。
53分で200円とコスパがいいので+1しています。
催眠コースがなければもう2点プラスしてました。

和み隠れ家 あまえた楼 さくら

サークル「VOICE LOVER」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、春に咲く桜のような明るいキャラの小町が
お客を相手に耳かきを中心とした癒しのサービスを行います。

「あまえた楼」最大の売りである方言が生み出す独特な音感や
人懐っこい雰囲気が彼女との親近感を無意識的に生み出します。
サービスは耳かきもそうですが耳舐めや囁きのボリュームも多くなっており
それぞれをバランスよく行うことで総合的な癒しを与えてくれます。



徳島弁の小町は桜餅が大好き
あまえた楼の小町「さくら」に癒してもらうお話。

「おったおった おにーちゃん!」
さくらは素朴で可愛い声の女の子。
久々にあまえた楼へとやってきたお客を人懐っこく出迎えると
お土産の桜餅を早く一緒に食べようと彼を急かしながら部屋に移動します。

あまえた楼を知らない方のためにここがどんなお店かを説明しますと
小町がお客の実の妹になってたっぷりと甘えながら
部屋でお話をしたり癒しのサービスを行ったりします。
本作品ではちょっぴりエッチな描写がされているシーンも一部あるのですが
ささやき庵のようなご奉仕は行わない健全なお店です。

「さくら 桜餅めっちゃ好きなん ほら はよお部屋行こ?」
そしてあまえた楼の最大の特徴は
小町がそれぞれの出身地に応じた方言を話してくれることです。
今回お相手を務めるさくらが話すのは徳島弁。
位置的に近いこともあって大阪弁に似ている印象を受けます。
関東圏の人だとかなり独特に感じる言葉遣いです。

またお客が彼女の常連らしく、2人が最初の段階から打ち解けているため
作品全体に良い意味でお店らしくない家庭的な雰囲気が漂っています。
冒頭のやり取りやお部屋で桜餅を食べさせあっている様子を聴くと
「こんな妹がいてくれたらいいなぁ」と思う人もいるでしょうね。



耳への刺激を意識したサービスの数々
本作品で行われるサービスは耳かき・耳舐め・添い寝の3つ。
添い寝は耳元で子守唄を唄ったり囁きながら寝かしつけてくれるため
どのサービスも基本的には耳への癒しに焦点を当てたものとなっています。

一番最初に行われる耳かきはおよそ10分間。
右耳→左耳の順に綿棒のみを使ってお掃除し
仕上げにおしぼりで汗を拭うシンプルなものです。
息吹きは耳かきではなく耳舐めの序盤に行います。

綿棒は「ジジジー ガリガリ」と乾いた軽い音が使われており
それが時計回りに小さく円を描くように動きます。
音の質感が硬めだったり面積が狭いことを考えると
綿棒よりは耳かき棒に近い音と言ったほうが妥当に思えます。

また多くの耳かき音声にはある効果音の跡切れが無く
時間内は延々と音を流しているような演出がされており
汚れを絡め取っているにしても耳かき音と呼ぶにはやや厳しいです。
ですがおしぼりで拭うシーンは非常にリアルで
「こすこす すりすり」という音が実際に耳を覆っているかのような感覚を与えてくれます。

「ちょっと パンツの近くで そんなモゾモゾせんとって?」
また耳かき中は追加サービスとして、さくらが自分のパンツをチラリと見せてくれます。
全年齢向け作品なのでそこまで過激な表現はありませんが
彼女がお客を信頼し、自分なりのやり方でもてなそうとしている様子が伝わってきます。
どちらかと言えば音よりもキャラを立てているタイプの耳かきでしょう。

続く耳舐めは11分ほど。
最初の4分程度の間、息を吹きかけたり「ぱちゃぱちゃ さわさわ」と言って
耳に適度な刺激を与えた後に右→左の順で舐めます。
ちなみにここから音声終了までの20分間、さくらは囁き声で語り掛けてくれます。

「さくらのお口で ゾクゾクしてるお兄ちゃん すっごくかわええ」
耳舐め音はあまりエロさを出さないようにペースはゆっくり、水分も控えめ。
音を上下左右に動かしまくったりもしないので、はむはむされている感じを受けます。
耳の一点を集中的にこそばゆい感触が襲うでしょう。
また時折責めを休みながら彼女がご奉仕に幸せを感じているセリフを漏らします。
こちらも囁き声ですから耳を軽く叩かれるような感覚が味わえます。

「げんこつ山のー たぬきさん おっぱいのんで ねんねして」
そして最後の最後に添い寝をされながら2人一緒に眠りにつきます。
子守唄を唄ったり、体をポンポンと叩くさくらの姿を見ると
妹よりは母親のような優しさや温かさを感じるかもしれません。
元々結構しゃべるキャラだからこそ、この静かなひと時には一層の安らぎを感じます。

このように、それぞれをバランスよく行う手堅い癒しのサービスが繰り広げられます。



ほのぼのとした雰囲気の作品
方言で話しながら人懐っこく振る舞うさくらのキャラに一番の魅力を感じる作品です。

彼女はお客に対してこれっぽっちも他人行儀な態度を見せず
本当のお兄ちゃんに対するように接します。
作中では2人が密着するシーンがかなりあるのですが
その割には聴いていていやらしい感じがほとんどしません。
それは肉親同士に近い自然な形での接触を行っているからです。

「お兄ちゃんは 春みたいな人やもん さくらは そんなお兄ちゃんが だーいすき」
もちろん最大の特徴である方言の存在も忘れてはいけません。
標準語よりもずっと砕けた口調が彼女との距離の近さを感じさせます。
声優さんも地元の方なのでしょう。
言葉遣いにまったく違和感がなく彼女らしさが十分に発揮されています。

それ以外のサービス部分については、耳かきが個人的にはやや不満でしたが
どれも専門店らしいきめ細かい心配りが見られます。
総時間に対する時間配分もしっかりしてますし
色々楽しみたい我儘な人にはかなり向いていると言えます。

個性を活かしながらサービスを進めている比較的安定感のある作品です。
本作品以外にも京都、熊本、秋田など様々な方言を話す小町がいますから
気になった方言で作品選びをしてみるのもいいでしょう。

CV:さくら真咲さん
総時間 40:55


オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります

【耳かき】キミとの時間スキからの距離~笹本チナ~【バイノーラル風】

サークル「藤和工場」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、付き合い始めてまだ1ヶ月の初々しいカップルが
3種類の癒しのサービスを行いながら少しずつ心の距離を縮めます。

マッサージと耳かきで鳴るリアルな効果音だけでなく
風の吹く音、鳥の鳴き声、自動車や飛行機の通り過ぎる音などの環境音も駆使して
2人がお昼に野外で寛いでいる様子をリアルに表現しています。

お話が進むにつれて変化する彼女の態度も大きなポイント。
不慣れながらも彼を知ろうと頑張る姿が青春時代の甘酸っぱい気分を呼び起こしてくれます。
2人だけで過ごす昼のひと時
恋人の笹本チナと2人きりでのんびり過ごすお話。

「ごちそうさまでした…っと、あんた 今日もパン?」
チナは明るく透き通った声の女の子。
ある日の昼、学校内のベンチで主人公とご飯を食べてると
肩凝りに悩んでいる彼のためにマッサージをしてあげると言います。

本作品は付き合い始めたばかりの彼女が
彼へのお世話として肩のマッサージ、耳かき、膝枕をしてくれます。
そして2人が野外でこれらを行っているのがよくわかるように
最中はサービス自体の効果音以外に数多くの環境音が流れます。

まず音声を聴き始めた段階でバックに風のそよぐ音が流れます。
一見するとノイズっぽくも聞こえるのですが、リアルで外にいる時に聞くものにとても近く
時折微妙に変化して風の流れる様子を感覚的に伝えてくれます。
他にも最初のパートでは自動車や飛行機の通り過ぎる音
それ以降は数種類の鳥の鳴き声がわざとらしくないレベルで適度に鳴ります。

藤和工場さんは以前から環境音に定評のあるサークルさんですので
どの音も実録したとしか思えないほどにリアルです。
そしてサービスの多くでチナが敢えて無言になり、音を集中しやすい環境を整えています。
音フェチ要素が比較的強い作品と言えるでしょう。

「そ、そだ パンが好きってわけじゃないなら その…私があんたに 今度お弁当 作ってきてあげようかなーなんて」
もうひとつの特徴はチナのセリフや態度の変化。
彼女は彼と恋人になったばかり、しかも学校に通っている年齢なだけあって
序盤のシーンでは彼に対して明らかな遠慮が見られます。

彼が嫌いなのではなくて、どう接すればいいか距離感を計りかねている感じです。
それがマッサージや耳かきをしていくうちにだんだんと打ち解け
最終的には彼に膝枕をしてあげるほどの成長を見せます。
この彼女が見せる異性に対する不得手さ、初々しさが別方向の癒しを与えてくれます。

大学を出たばかりの人だとそれほど感じないかもしれませんが
社会に出て長い人だと心がむず痒くなるとか、甘酸っぱくなる気分が味わえるでしょう。
音重視なんだけどキャラも立っている総合力の高い作品です。
リアルな音を中心とした繊細なサービス
彼女が最初にしてくれるサービスはマッサージ。
首筋のあたりを擦ってから両肩に移り、最後に肩甲骨を指圧する簡素なものです。

服越しに行ってるので「すすっ さすさす」と布の擦れる音が鳴り
首筋ではストロークの大きさを変えながら左右に
肩は一方向に大きく撫でる動きを左右別々に行います。

首筋と肩で効果音の位置や距離が微妙に違っていたりと
かなり細かいところまで考えながら音を鳴らしています。
肌に直接する時よりも音が鳴るのでマッサージらしさが出ているのも良いです。
臨場感のあるハイレベルなサービスと言えるでしょう。

「そういえば まだ手も繋いだこともないのに あんたの体に色々触っちゃったなーって えへへ」
最中のチナはというと、マッサージは家で父親によくやってるらしく
普段よりもリラックスした様子を見せます。
そしてすべてが終わった後に彼の体に初めて触れたことに気づき、恥ずかしがります。

サービス自体はきちんとやって、合間合間に彼女の心情や態度が描いているわけです。
このおかげで本作品が持つ2つの長所を損なわずに楽しめます。
2人がお互いを意識しながら少しずつ仲良くなろうとしているのが伝わってきます。

メインのサービスとなる耳かきはおよそ27分間。
ベンチに横になった彼を右耳→左耳の順に耳かき棒を使ってお掃除し
仕上げに梵天と弱めの息吹きをする家庭的なものです。

耳かき棒は「ぞりぞり ずずっ」と硬く尖った音
梵天は「こすこしゅ じじっ」と耳かき棒に比べて幅広く柔らかな音が使われており
前者は奥から手前に掻き出したり耳の壁をなぞるように
後者は前後に小刻みに動かしたり軽く回転させるのを繰り返します。

本作品の耳かき音は最近の耳かき音声の中では全体的にパワフルで
ゴリゴリした音が耳や頭に強めの刺激を与えてくれます。
ですが頭に響きやすい音だからこそ、意識して力加減を弱く設定しています。
おかげで30分近く聴いているのに頭が痛くなることはありませんでした。
音の質感、動きいずれも実際のものに近くレベルが高いです。

本作品の耳かきで面白いのが
チナが時折耳かきを止めて耳かき棒の先をティッシュで拭いていること。
これは取れた耳垢を処理する動作で、耳かき音声だと実はほとんど入っていません。
こういう細かな部分にまで気を配って耳かきにリアリティを持たせています。

「い、言ったでしょ まだ緊張してるの だって あんたのずっと顔こんなに近いし 息したら ほっぺたにかかっちゃうって思ったら」
チナは誰かに耳かきをしてあげるのが初めてらしく
最中は彼の耳を傷つけないようちょっぴり緊張した様子で器具を動かします。
わざと失敗するシーンはなく、全体的にペースを落として不慣れさを演出しています。
彼女は言葉ではなく態度で彼に対する思いやりの強さを示します。

このように、リアルな音にチナの心情の変化を交えた癒しのサービスが繰り広げられています。
心を温めながら癒してくれる作品
青春時代の日常をそのまま切り取ったような作品です。

男性には不慣れだけど強い思いやりを持っている女の子が
試行錯誤しながら恋人と少しずつ仲良くなっていきます。
彼女にとって初体験となる要素が色々詰まっているため
最中は驚いたり戸惑ったりするシーンが何度も登場します。

それが場数を踏むにつれてだんだんと彼と肌を触れ合うことに安心感を覚え
今度は自分から彼を積極的に癒そうと行動するようになります。
この心情の変化がサービスを通じて自然と伝わってくるように作られています。
聴き手がわざとらしさを感じないようにセリフを選びながら会話を進めています。

「その…私が 膝枕してあげるから 膝枕 膝枕なの」
個人的に印象的だったのが、耳かきが終わった後のパートで
チナが彼に初めて膝枕をしているところです。
これによって2人が前よりも明らかに親密になっているのを自然に感じ取らせてくれます。
耳かき音声では開始時に膝枕をするのが定番ですから、こういう使い方をするのは新鮮で面白いです。

そして2人が仲よくなるきっかけにあたるサービスそのものを
多彩な効果音や環境音を使ってリアルに表現しています。
バックで常に風の音が流れているのでその場の雰囲気に浸りやすく
マッサージや耳かきも音の質・動き・位置までとことんこだわっています。

本作品は耳かき音声ですから、チナのキャラがどんなに立っていても
耳かき自体がいまいちではやっぱり満足できません。
だからこそ耳かきはそれこそ1回1回の動きに至るまで注意を払いながら進めています。
日頃耳かき音声を聴いている人でも満足できるクオリティを持っています。

優れた部分をいくつも持っている良質な耳かき作品です。
耳かき好きな人、青春時代の甘酸っぱい気分を味わいたい人におすすめします。

CV:小音さん
総時間 44:37

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
声優さんの声は通常録音、効果音や環境音はバイノーラル録音だそうです。

はかた弁の年上カノジョ

サークル「黒月堂」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、優しくて面倒見のいい年上彼女が
疲れた主人公に耳かきをしながらたっぷり甘やかします。

タイトル通り彼女が博多弁をしゃべるのが大きな特徴で
その独特な語尾やイントネーションが作品全体に柔らかさを与えています。
年上彼女と過ごす幸せなひと時
年上の彼女に耳かきや添い寝をしてもらうお話。

「おかえりなさい 疲れたやろう?」
彼女は明るくて優しい声のお姉さん。
仕事を終えて帰宅した主人公が気落ちしてるのを見ると
頭を撫でたり抱きしめたりしてたっぷり甘やかしてあげます。

本作品は冒頭に簡単なやり取りを挟んだ後
およそ30分に渡って耳かきをし、それから彼女と一緒の布団で眠りにつきます。
恋人同士の何気ない日常を描いているのでサービス自体は至ってシンプルにし
彼女の言葉使いや態度のほうで個性を打ち出しています。

「仕方ないよ そげんこともあるたい そんなに落ち込まんと」
その最も大きな要因として挙げられるのが博多弁。
「~たい」「~ばい」など他の方言とは違う独特な言い回しで語りかけてきます。
中の人が福岡の方なので言葉使いもナチュラルです。

そして彼女は年上らしく彼を実の子供のように甘やかします。
何かにつけて頭を撫でる、疲れた心に染み入る励ましの言葉をかけるなど至れり尽くせり。
バイノーラル録音の性質を活かしてシーンごとに声の位置や距離を切り替え
彼女が実際に近くにいる雰囲気を作り上げています。

作中では恋人らしさを意識した演出も数多く見られます。

ひとつだけ注意してほしいのが
実はこの作品、時間に対してセリフのボリュームがやや少なくなっています。
総時間の大部分を占める耳かきシーンで効果音を存分に楽しめるように
彼女が敢えて無言でそれらを行っているからです。

ですから方言をとことん楽しみたい人だと物足りなく感じるかもしれません。
2人が九州に住んでいる感じを出すために博多弁でしゃべっています。
リアルな音を駆使した心地よい耳かき
彼女が最初にしてくれるサービスは耳かき。
膝枕の体勢で右耳→左耳の順に耳かき棒で掃除し、仕上げに梵天と息吹きをする家庭的なものです。

耳かき棒は「ゾリゾリ ズッ」と乾いた軽い音
梵天は「ぽしゅっ しゅりしょり」と面積が広く柔らかい音が使われており
どちらも耳の壁を掻き出すように動きます。

本作品の耳かきにおける大きな魅力は耳かき棒の動きの多彩さ。
2~3回耳の壁を優しくなぞる動きをしていたかと思えば
すぐ後にはやや長いストロークで掻き出す、さらにしばらくすると5~7回ごとに擦るなど
30秒程度の短い間隔で動きが目まぐるしく変化します。

効果音を組み合わせるのではなく実録っぽい動きをされています。
力の加減が耳にこそばゆい刺激を感じる程度に抑えられていて
30分近く聴いても耳や頭が痛くなることはまずありません。
音の質感と動きの両方がかなりのレベルを持っていると言えます。

ただし、左耳で耳の奥を1分程度掃除するシーンがあるのですが
そこで鳴る音だけは残念ながらいまいちだと私は考えています。
「パチパチ ジョリッ」と破裂っぽい刺激的な音が使われています。
奥にしては音がクリアすぎるし動きももう少しゆっくりにしたほうがいいかなと。

「え? お耳の中をカリカリされるの 気持ちいいの? そっか じゃあ いっぱいしてあげるね」
最中の彼女は先ほど書いたように黙々と耳かきに取り組みます。
ですが左耳に入ると他愛もないやり取りが若干あります。
効果音だけが流れる時間が長く静かな感じがするでしょう。

2人の関係を考えれば多くの言葉は要らないように思えます。
終盤には恋人ならではのあまあまなやり取りも登場します。

耳が綺麗になった後は添い寝のサービス。
彼女が右隣に寄り添い軽く会話をしてから眠りに落ちます。

「好き 好き 好き 好き だ~~い好き」
大好きな人を癒すことができて彼女も幸せを感じているのでしょう。
手を繋いで体を温め合いながらストレートな愛の言葉を投げかけます。

このように、恋人たちが過ごす一夜を甘く温かく描いています。
シンプルで高性能な癒し系作品
彼女のキャラとリアルな効果音を上手に組み合わせて癒しを与えている作品です。

彼女は仕事で心も体も疲れきった彼がぐっすり眠れるように
優しい言葉や心のこもった耳かきをサービスします。
彼女がずっと方言で語りかけてくれるから雰囲気が柔らかく
声の臨場感の高さも相まって自然と心がぽかぽかしてきます。

そして2人が一緒に過ごす様子を様々な効果音を使って表現しています。
耳かきの音はもちろん、寝返りをうつ音やベッドに寝たときに軽くきしむ音など
かなり細かなレベルにまで気を配っているのがとても良いです。

音に自信があるから耳かき中の彼女のセリフをここまで減らしたのでしょう。
音だけが聴こえ続けるひと時はそのまま眠ってしまいたくなるほどに心が安らぎます。
耳かき作品をずっと作り続けてきたサークルさんの一つの成果がここにはあります。

Six Sensesさんは今から約2年前に「博多弁で囁き@かなせ」という
恋人らしき女性が博多弁で耳かきをしてくれる類似作品を製作されています。
本作品はそこで感じた問題点がことごとく改善されています。
サークルさんが時々やられる九州ローカルネタも入ってませんし
純粋な方言音声作品としてとても聴きやすくなっています。

シンプルなサービスに独自の要素を配合している作品です。
年上好き、音重視の耳かきが好きな人におすすめします。

おまけはフリートークと寝息です。

CV:かなせさん
総時間 本編…51:06 おまけ…7:05

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は8点。
約1時間で600円とコスパがいいので+1してあります。

休日屋 ━真家━

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、人里離れた場所にある癒し系専門店で
素朴な店員さんとのんびりまったり休日を過ごします。

一緒にご飯を食べる、散歩するといった家庭らしさを重視したサービス
シリーズ3作目に相応しい登場人物の心情もわかりやすく描いたセリフなど
従来の専門店系作品とは違った切り口で癒しを与えてくれます。
休日屋で過ごす最後の一日
休日屋の店員「安土日向(あづちひなた)」と一日を過ごすお話。

「お久しぶりです 安土日向です 首をながーくしてお待ちしてました」
日向は明るくて可愛い声の女の子。
再び休日屋にやって来たお客を最寄りの駅まで迎えに行くと
世間話をしながらお店まで徒歩で一緒に向かいます。

本作品は昨年4月に発売された「休日屋」、同8月の「休日屋 ━丹の家━」に引き続き
彼女がほぼ一日中つきっきりで多種多様なサービスを提供します。

耳かきやマッサージといった専門店ではお馴染みのサービスに加えて
お店の中を探検する、風呂上りにアイスを食べるといったあまり見かけないシーンも登場したりと
店名通り彼女と休日を過ごす様子をありのままに描いているのが特徴です。
家庭らしさを感じる要素がとても多いので聴いてると自然にほっこりします。

とみみ庵さんと言えば効果音のクオリティが極めて高いことで有名なサークルさんです。
本作品もその例に漏れず、日向やお客のありとあらゆる動作に専用の効果音を用意し
それらを組み合わせることで休日屋の雰囲気をリアルに表現しています。
同じ足音でも外と中では当然違いますし、登場人物の心情を音だけで演出する面白いシーンもあります。

「手…繋いで えへへ ぎゅっ」
お相手を務める日向のキャラも大きなポイント。
3回目ということで最初からお客ともすっかり打ち解けており
店員よりも友達や恋人に近いスタンスで終始親しげに接します。
最中に2人が何度も手を繋いでいることからも仲の良さが伝わってきます。

「都会の喧騒を忘れて「私の最後のお休み」を一緒に過ごしていただけませんか?」
しかし彼女はサービスの最中しきりに今回が最後のおもてなしであることを告げます。
彼を嫌いになったようにはとても見えないだけに
彼女がどういった事情でこの決断をしたのか、そして最終的に2人はどうなるのか
物語が進むにつれて事の真相が少しずつ明らかになります。

終盤にはほろりと泣けるシーンもありますし
癒しだけでなく心の汗を洗い流すのにも役立ってくれます。
キャラ、ストーリー、サービスと様々な部分が優れている総合力の高い作品です。
効果音を中心に据えたリアルなサービス
ここからは各サービスについて説明していきます。
総時間が2時間30分と長くサービスの種類も豊富なため
個人的に気になったパートをいくつかピックアップする形で紹介します。

お店に着いて軽い挨拶を済ませた後、最初に登場するのはマッサージ。
肩や背中を手で揉みほぐす至って普通のサービスなのですが
最初はお客が日向に、その後でお返しに彼女が彼にしてあげます。
専門店でお客が店員にサービスをするというのは初めて聴きました。

「覚えててくださったんですね 私にマッサージしてくれるって」
そしてこれは1作目で彼が言った約束を果たす結果に繋がります。
彼女も多少戸惑いつつ受け入れ、最中は気持ちよさそうな表情を見せます。
音声作品ではお馴染みのサービスを別の形で行い2人の親密な様子を描いています。
お金をいただかないお店だからこそできる面白いシーンです。

マッサージに必要不可欠な効果音もハイレベル。
「すりゅっ すすー」と滑らかな摩擦音が鳴り
擦ったり、揉んだり、叩いたりと動きが小まめに変化します。
しかも日向にする時はやや遠くで、お客にする時はかなりの至近距離で音が鳴ります。
マッサージをする感覚とされる感覚の両方を味わわせてくれるのが実に見事です。

ストーリーが大きく進展するのが6番目の「いつもの道をお散歩」パート。
昼食で膨れたお腹をへこませようと近くを散歩する最中
彼女が自分のことや今回を最後に決めたいきさつを思いつめた様子で語ります。
詳しい内容は伏せますが、物語の中盤でこれを語ることにより
その後のサービスの雰囲気や2人の心情がやや変化しているのがわかります。

このパートのもうひとつの魅力は環境音。
2人が歩くにつれて小川の流れる音が徐々に大きくなり、その後遠ざかっていきます。
移動する様子を音だけでここまでリアルに表現している作品はまだまだ少なく
サークルさんの音へのこだわりが強く表れています。
盛り上がるシーンだからこそ、バックの演出にもこだわっているのがわかります。

特徴的な音が楽しめるのはその次の「すっかり冷えちゃいましたね」パート。
冷えた体を温めようとお風呂に入り、日向が背中を流したりシャンプーをかけてくれます。
全年齢向け作品なのでエッチな描写はありません。

「気づきました? そうなんですよ シャワーがついたんですよ」
今までは桶でお湯を掬って流していたのが今回からシャワーへと変化し
わしゃわしゃという小気味良いボディソープやシャンプーの音と一緒に耳を楽しませてくれます。
音の位置や動かし方も実際のサービスさながらでとてもリアルです。

そして最後を飾るのはサークルさんが最も得意とされている耳かき(約25分間)。
膝枕の状態でまずは両耳を温かいタオルで拭き
右耳→左耳の順に綿棒で汚れを取り、仕上げに梵天と軽い息吹きをする家庭的なものです。

綿棒は「しゅりっ ずずっ」と若干ざらつきのある柔らかな音
梵天は「すりゅっ じりじり」と面積が広くふわふわした音が使われており
前者は耳の壁をなぞるようにゆっくり優しく
後者は軸を回転させたり優しく掻き出す動きをします。

耳かき棒に比べて幅広い音なので刺激が耳全体に届きやすく
最初は手前、次に奥と掃除する位置の変化に応じて音の質も微妙に変わります。
どちらも力加減が弱めに設定されており長時間聴いても耳が痛くなりません。
梵天も柔らかさが音によく出ていてこそばゆく感じます。
いつも通り安心して聴けるハイレベルな耳かきです。

「ずっと こうしていれたら いいのにな…」
最中の日向は微かな吐息を漏らしながら真剣にやるシーンが多くあまりしゃべりません。
ですが最後の一日が間もなく終わることを名残惜しく思うセリフを時々呟きます。
このほんのり感じられるもの悲しさがシーン全体に静かな雰囲気を与えています。

このように、様々な音と2人の心情を織り交ぜたサービスが繰り広げられています。
何気ない日常を切り取った作品
温かい女性が温かいサービスを提供してくれる癒しに満ちた作品です。

日向は大好きな人と過ごす最後の日に悔いを残さないように
最初から自分ができる限りの技術と思いやりをもってお客をもてなします。
途中で立場が逆転するシーンもありますが、基本的には彼女が終始尽くしてくれます。
その飾らない姿や一生懸命な様子が自然と心を温めてくれます。

そして最中に時折見せるちょっぴり寂しそうな顔が彼女の魅力を引き出しています。
普段が明るいキャラだからこそ余計に儚く感じるでしょうね。
彼女の複雑な心境がセリフや動作から伝わってきます。

…といった感じのお話なのですが、最終的にはハッピーエンドを迎えます。
ですから聴き終えた段階で気落ちする人はまずいないはずです。
ただこの終わり方だと休日屋シリーズは今作がひとつの区切りになるのだと思います。
今後引き続き彼女が活躍するのか、はたまた姉の日登魅の出番が増えるのかが気になるところです。

サービスは専門店の要素を押さえつつ家庭的なものも取り入れています。
レビューでは紹介できなかった昼食を作るシーンなどは
その一部始終を音だけで表現する凝った作りをしています。
耳かきも休日屋の特性を踏まえてわざと家庭っぽさを出しながら行っています。

ストーリーは終盤が割と泣けるシーンですね。
今まで我慢してきた日向の想いが一気に爆発します。
その後の展開も面白いですし最後まで楽しく聴けるでしょう。

田舎の家庭にいる雰囲気を大事にした質の高い癒し系作品です。
このクオリティとボリュームで200円とコスパも驚異的。
以上を踏まえてシリーズ3作すべてを満点とさせていただきました。

おまけは後日のお話です。

CV:安土日向…浅見ゆいさん 安土日登魅…藤堂れんげさん(終盤とおまけにのみ登場)
総時間 本編…2:24:18 おまけ…6:00

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

気になるあの子

サークル「添音亭」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、小さい頃はよく遊んでたけど近頃すっかり疎遠になった幼馴染が
一緒の部屋で勉強したり耳かきをしながら再び心を通わせます。

サークルさん最大の特徴とも言える効果音だけですべてを表現する静かな作りや
少ないながらも心を打つセリフの数々が心をたっぷり癒します。
久しぶりに先輩の部屋で
後輩と一緒に勉強したり耳かきをしてもらうお話。

「あっ! 先輩 よかった 今LINEしようかと思ってたんです」
後輩は明るくて可愛い声の女の子。
試験を間近に控えたある日、先輩を呼び止めると
彼の家で一緒に勉強させて欲しいとお願いします。

2人は小学生くらいの頃からの幼馴染で
その頃は実の兄妹のようによく遊んでいました。
しかし先輩が中学に上がったのをきっかけに出会う機会が一気に減り
最近は同じ高校に通ってるのにほとんど会話をしない関係になっています。
成長するにつれて性の違いを意識するようになったのかもしれません。

「先輩って普段どれくらい勉強するんですか? 課題やるだけ?」
そこで彼女が昔の関係を取り戻そうと彼に声をかけ
試験勉強を名目に彼の家でお話したり耳のお世話をしてあげます。
恋人や友達のような親しい間柄ではないため、彼女は基本的には丁寧語を使い
彼に自分の気持ちを悟られないようやや遠回りをしながら様々なやり取りをします。

男女が過ごすごくごく普通の日常なのですが
2人が数年ぶりに同じ時間を過ごすことになった背景や
時折見せる彼女のとても嬉しそうな様子が心を潤します。
年齢相応のピュアで献身的な女の子ですね。

そして2人が部屋で過ごす様子を多種多様な効果音を使ってリアルに表現しています。
耳かき棒や勉強の際に鳴るペンの音はもちろん、物を置いたり体を動かす時の小さな物音
鳥の鳴き声、車やバイクの通る音、付近の子供の話し声など
一般的な癒し系音声作品以上に音を重ねて臨場感を出しています。

しかも勉強や耳かきの最中は後輩のセリフが一気に減ります。
音だけが流れ続ける空間に多くの人が心落ち着くものを感じるでしょう。
効果音をただループさせるのではなく、状況に応じて変化させているおかげで
実際にその場にいるかのような自然さがあります。

彼女のキャラと効果音、この2つの要素が本作品の癒しの大きな源です。
音をメインに据えつつキャラも立たせているサービス
先輩の部屋に移って最初に行うのは試験勉強。
後輩が数学の問題を解きながら先輩にあれこれ質問する様子が描かれています。

ノートに書き込む際に鳴る「コツ コツ」というリズミカルなペンの音が耳に心地よく
他の環境音もそれを邪魔しないレベルで適度に鳴ります。
ページをめくったり消しゴムで消す音が入るのもリアルでいいですね。
勉強ですから彼女も用がない限りは黙々と手を動かしています。

「でも 先輩と一緒に勉強するなら 楽しい気がするな…」
数分ごとに彼女が投げかけるセリフも大きなポイント。
この時点では2人は他人同士に近く、彼女も彼にかなり遠慮している様子が伺えます。
そこを改善しようと自分の気持ちをほんのり伝えたり
勉強に付き合ってくれたお礼に耳かきの約束を取り付ける積極的なアプローチを見せます。

このなんとかして彼に振り向いてもらおうと頑張る彼女の健気な姿が胸を打ちます。
登場するセリフが少ないからこそ、ひとつひとつの言葉を選んでいるようにも思えます。
音重視なんだけど2人の心情や心の距離の近づき具合もしっかり描かれています。

「ほんと? じゃあ勉強が終わったら(耳かき)してあげますね」
個人的には彼女が丁寧語の中にちょっぴり友達らしい言葉使いもしているところが印象的でした。
年上、しかも仲が冷え切っている状況だから馴れ馴れしく話すのはあまりよくない。
でも相手に親しくしたい、そう思われたいという仄かな想いが言葉に表れています。

次の「うたた寝」パートは勉強で疲れた彼女が昼寝をするシーン。
彼女の寝息と周りの環境音だけが流れ続ける前パート以上に音特化な作りですが
寝ぼけた彼女が踏み込んだことを言うドキッとする場面も登場します。
重要パートなので詳しい内容は伏せさせてください。

そして最後は勉強が終わった後、少し空いた時間を利用し彼女が耳かきをします。
膝枕の体勢で左→右の順に耳かき棒を使ってお掃除し、最後に1回ずつ息を吹きかける家庭的なものです。

耳かき棒は「そりそり ずずっ」と面積広めのざらついた音が使われており
ゆっくりペースで前後に擦ったり掻き出したりを繰り返します。
そして奥に入るとパチパチとした綿棒っぽい音へと変化します。
力加減がかなり抑えられているため耳への刺激は弱めですが
寝ながら聴いても邪魔にならない優しさがあります。

ちなみに使用器具は作中で明確な表現がされていません。
彼女のセリフや動きから耳かき棒だろうと判断しました。
耳かき棒にしては音が幅広いし粗すぎるように思えます。
まとめると、動きはいいのだけど音の質感がややリアルさに欠ける耳かきです。

「やっぱり 先輩が先に中学に上がって 学校で会わなくなった一年間が大きいんだろうなぁ」
最中の後輩は微かな吐息を漏らして耳かきに集中するシーンが多いです。
そして時折これからのことや昔のことをぽつりぽつりと語ります。
昔のような楽しいひと時は送れなくても好きな人とできるだけ長く近くにいたい。
はっきりとは言いませんがそんな気持ちが言葉の端々から滲み出ています。

このように、リアルな音をふんだんに使った心温まるサービスが繰り広げられています。
心を綺麗にしてくれる作品
サークルさんの過去作にあった強い音フェチ要素を維持しつつ
後輩の魅力もしっかりと表現されている総合的な癒し系作品です。

開幕の後輩が駆け寄ってくる足音から始まり、荷物を置く音、飴の袋を開ける音など
ありとあらゆる動作に効果音を用意し、それを組み合わせて現実世界さながらの空間を作り上げています。
そして後輩のセリフを意識して減らし、効果音だけを聴ける時間を長く用意しています。
音声作品は声優さんがしゃべってこそ成り立つ印象が強いからこそ
こういう極端なまでに音に寄せた作りはむしろ新鮮味を感じます。

またすべてを音だけで表現できるおかげで
後輩のセリフに説明的なものがほとんどなく自然な会話が成立しています。
これも作品の臨場感を高めるのに大いに役立っています。

「あの 迷惑じゃなかったら また一緒に勉強してもらってもいいですか?」
そしてここまで音に傾倒しているのにも関わらず
後輩に十分以上の存在感があり、音とは違う癒しも与えてくれるのが素晴らしいです。
彼女は彼のことを異性として相当に好きなのでしょう。
勉強や耳かきをしている最中、次回以降も会えるように約束を取り付けようとします。

この控えめであり積極的でもある彼女の態度がとても愛らしいです。
とにかくまずは失った時を取り戻したい、そして自分の良さを改めて知ってもらいたい。
「こんな女性が近くにいたらすぐさま告白するのになぁ」と思わせる健気さに溢れています。

その一方で最後まで彼女の気持ちに気づかなかった彼にやきもきする人もいるでしょう。
彼女がここまで頑張ってるのだから彼も多少は男気を見せて欲しかったです。
ここだけがどうしても気になりました。

一途な女性の溢れんばかりの愛が感じられる良作です。
総時間80分に対し500円とコスパも抜群。
以上踏まえて条件付きではありますがサークルさん初の満点とさせていただきました。

CV:浅見ゆいさん
総時間 1:22:15

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は9点。
コスパがいいので+1してあります。

お家でゆっくり癒されませんか?PLUS

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、和風の情緒漂うお屋敷を舞台に
明るいお姉さんが頭部を中心としたきめ細かい癒しのサービスを提供します。

サークルさんが得意とされている耳かきはもちろん
整髪、洗髪、首や肩のマッサージ、さらには爪切りなど
ありとあらゆるサービスを様々な音を使ってとてもリアルに行っています。
緑豊かな場所で癒しのひと時を
なおさんから10種類の癒しのサービスを受けるお話。

「こんにちは この度は リラクゼーション体験ソフト お家でゆっくり癒されませんか?PLUSをダウンロードくださいまして 本当にありがとうございます」
なおさんは明るくて優しい声のお姉さん。
音声に関する説明や簡単な自己紹介をすると
和風のお屋敷を舞台に様々な癒しのサービスを提供します。

本作品はサークルさんが2014年に発売された
「お家でゆっくり癒されませんか?」のパワーアップバージョン。
2時間30分という大ボリュームの中、サービスの内容を大きく3つに分け
それぞれを手を変え品を変えながら行う非情に充実した作りになっています。

とみみ庵さんと言えばありとあらゆる動作をリアルな音を駆使して表現されているサークルさんです。
今作もその例に漏れず、すべてのサービスで別々の効果音を用意し
さらには現実さながらの動きまでする本格的なものばかりです。


「聞こえます? 風鈴と 庭を流れる小川に ししおどしの音」
他にも開始1秒の段階から小川の流れる音をバックで流し
タイミングよく風鈴やししおどしの音を鳴らす「和」を意識した雰囲気が魅力です。
環境音がずっと流れるおかげで現実世界のノイズが聞こえにくくなり
その結果作品の世界に実際にいるような現実逃避感が味わえます。

これらを行ってくれるなおさんについては
要所要所で何をするかを説明したり、簡単な健康知識を語ることが多いです。
サークルさんの別シリーズ「休日屋」に見られるキャラやストーリーの要素は弱めにし
その分を音に注力している音フェチ要素の強い作風になっています。
セリフが少ないので安眠目的で聴くのにも大いに役立ってくれます。
音を中心とした質の高いサービス
ここからは各サービスの詳しい内容を紹介していきます。
時間が長くサービスも多岐に渡るため、個人的に面白かった部分をピックアップする形でお届けします。

なおさんが最初にするサービスは「髪と頭のケア」。
4パート45分ほどの時間をかけて髪を切りそろえる、髪を洗う、頭皮のマッサージ&トリートメントと
床屋さんのサービスに近いものをじっくり丁寧に行ってくれます。

「毛先を整えるだけでも いい効果があるんですよ?」
整髪パートは「シャク ショキ」と小気味良いハサミの音が軽快に鳴り響くだけでなく
それらを数回ごとに微妙に位置を切り替えて鳴らす凝った演出がされています。
前半は普通のハサミを使い、後半はすきバサミに切り替えるのもいいですね。
同じハサミでもすきバサミの方が微妙に粗く、耳に違った刺激を与えてくれます。

本作品の音へのこだわりは留まるところを知りません。
整髪を始めるにあたって主人公が椅子に座るシーンがあるのですが
そこでは今まで右手に流れていた小川の音が中央へと移動します。

他にも整髪中になおさんが移動するときは軽い足音が鳴ったり
シャンプーをかける際に椅子を倒す音がきちんと入っていたりと
サービスとは直接関係ない音まで余すことなく鳴らしています。
こういった細かな演出がその場にいる気分をより強く実感させてくれます。

序盤で最も特徴的な音が楽しめるのは4番目の「頭皮のトリートメント」パート。
「プシュー ジュー」というムースっぽいものをかける音が鳴り
その後なおさんが指を使って頭をゆっくり揉みほぐします。

トリートメントが生み出すシュワシュワ、パチパチと泡の弾ける音が実に面白く
7分弱と時間は短いながらもスッキリした清涼感を与えてくれます。
この4パートはあまり聴かないタイプの音が多いので
耳かき作品を聴き慣れている人でも新鮮な気分で楽しめると思います。

2番目に登場するのは「顔から腕にかけてのケア」。
3パート40分ほどをかけてフェイスマッサージ、首と肩のマッサージ
爪きり&ハンドマッサージと筋肉を揉みほぐすタイプのサービスを中心に行います。

「右手の手首のほうから オイルを肌に馴染ませて…」
オイルやハンドクリームを使っているため「シュッ スリッ」と滑らかな摩擦音を鳴らすシーンが多く
顔は短いストロークで素早く、肩と背中はトントンと拳や手のひらで叩く音を織り交ぜながらといったように
ケアする部位に応じてオリジナルの要素を織り交ぜながら進めています。

髪や頭部のケアに比べて全体的に音が大人しい感じなのですが
動かし方についてはかなり考えられているのがわかります。

そして最後に登場するのが「耳へのケア」。
2パート50分と十分すぎるほどの時間を設け
産毛剃り、マッサージ、泡洗浄で耳の外側を綺麗にしてから
30分以上の時間をかけて耳の中をたっぷりお掃除します。

耳かきは膝枕の体勢で右耳→左耳の順に綿棒、耳用のブラシ、ベビー用綿棒で汚れを落とし
仕上げに梵天と息吹きをするやや専門店寄りの内容です。

綿棒は「ズリズリ ススッ」と若干ざらつきのある滑らかな音
ブラシは「ゾリゾリ プスプス」とやや尖った優しい音が使われており
前者は耳の壁を優しくなぞるように軽く縁を描いたり前後に動かす
後者は前後に動かしたり掻き出したりする動きをします。
どの器具も面積が広いので耳かき棒よりも音が柔らかく感じます。

「このブラシ プチプチと不思議な音がしますよね?」
中でも2番手に登場する耳用のブラシは綿棒と耳かき棒の中間的な音が鳴り
なおさんが言うプチプチした感触が耳に適度な刺激を与えてくれます。
音の動きも使用する器具の目的に合わせてきちんと変化しますし
サークルさんの耳かきに対する情熱がしっかりと込められています。

このように、多種多様なサービスを的確な音を使って忠実に表現し癒しを与えてくれます。
2015年における癒し系作品の集大成
総時間の長さ、サービスのバリエーションの多さ、それぞれの質の高さなど
すべての要素が高いレベルでまとまっている素晴らしい作品です。

なおさんは主人公に心の底まで癒しを感じてもらえるように
彼を緑豊かな屋敷へと招待し、そこで主に上半身をとことんまで綺麗にしてあげます。
そしてパートをかなり細かく分け、その中で行うサービスに明確な違いを持たせ
さらにはそのすべてをリアルな音によって極めて忠実に表現しています。

今回は遊び心と言いますか、オーソドックスなサービスの中に
変わった音を意識的に織り交ぜているように思えます。
具体的には頭皮のトリートメント、温水と炭酸水による頭皮マッサージ、耳の泡洗浄などです。
柔らかいんだけど刺激的でもある音が聴覚と触覚の両方を楽しませてくれます。

あとはやはり動きですね。
どんなに良い音でも的確に鳴らさなければどうしても違和感が生まれます。
聴き手にそう感じさせないように相当細かいレベルで編集されています。
音が良くて動きもいい、パーフェクトだからこそより大きな癒しが得られるのだと思います。

前作との大きな違いは環境音の扱いです。
特に小川の流れる音が主人公のいる位置や体勢に応じて小まめに変化します。
この演出は昨年の夏あたりから見られ始めた新しい要素です。
今のところできるサークルさんがほとんどいませんから今後も大きな武器になるでしょう。

癒しに関するありとあらゆる要素が詰まっている総合力の高い作品です。
2時間30分もの時間に対して価格がたったの200円とコスパも驚異的。
以上を踏まえて本作品をサークルさんでは6本目の満点とさせていただきました。

CV:ししゃもさん
総時間 2:33:51

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

【耳かき・マッサージ】君の彼女【吐息】

サークル「Project E.L.C」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、好きな人にお世話をするのが大好きな優しい彼女が
長時間に渡る癒しのサービスで主人公に安眠を提供します。

サークルさんの持ち味とも言える多彩な効果音を使った耳かきに加え
今回はローションを使った耳マッサージも行われており
両耳で別々に鳴る控えめな水音が耳に心地よい刺激を与えてくれます。
デートの後はお家でのんびり
彼女に耳かきと耳マッサージをしてもらうお話。

「はぁぁ 今日もあっという間だったね」
彼女は温かくで優しい声の女の子。
主人公と色々なところに出かけた日の夜、彼の家でその様子を楽しそうに振り返ると
泊めてもらうお礼に耳かきをしてあげます。

本作品はデートを終えて適度に疲れた彼のリクエストに応えて
彼女がいくつかの器具を使い分けながらおよそ1時間に渡る耳かきをし
仕上げに25分ほど両耳を手や指で揉みほぐします。

2人が十分に楽しんだ後ということで全体的にセリフは少なく
最中は30秒~1分程度の短い間隔で効果音を小まめに変化させながら
同時に彼女の息遣いが聴こえる静かなひと時が楽しめます。


かなり音フェチ向けの作りですからそういうのが好きな人には強くおすすめします。
他にも安眠を目的に寝ながら聴くのもいいでしょう。
全編に渡ってのんびりとした心安らぐ雰囲気が漂っています。

「耳かきに慣れるとさ 耳かきをされないと寝付けなくならない?」
そしてセリフのボリュームが少なめだからこそ
サービスの合間に交わされる2人の何気ないやり取りに温かさを感じます。
将来結婚しようと思っているそうですから付き合いも長いのでしょう。
2人でいることや耳かきをしているのが当たり前のような落ち着いた態度を見せてくれます。
多彩な効果音を駆使した大ボリュームの耳かき
彼女が最初に行う耳かきはおよそ60分。
膝枕の体勢で右耳→左耳の順にブラシつきの耳かき、通常の耳かき、梵天を使い分けてお掃除します。
息を吹きかけるシーンはありません。

ブラシつきの耳かき棒は「ぞりぞり じりっ」と乾いた軽い音
通常の耳かき棒はそれよりも細く硬い音
梵天は「すりすり ずずー」と柔らかくふわふわした音が使われており
耳かき棒は掻き出したり耳の壁をなぞる、梵天は回転させる動きを中心に目まぐるしく変化します。
音・動かし方いずれもリアルなほうと言えます。

ちなみに本レビューに書いてある使用器具は私が聴いた際に判別できたものですので
もしかしたらこれ以外の器具が使われているかもしれません。
彼女が最初の段階でブラシつきの耳かきを使うと宣言する以外は「~に変えるね」みたいなことを言わず
しばらく経って気づいたら音質が変わっている、といった自然な演出がされています。
確かに2人の関係を考えればいちいち言うほうがおかしいようにも思えます。

最も特徴的なのはやはりブラシつきの耳かき棒でしょう。
耳かき棒よりも綿棒に近い広さとざらつきのある音が耳に適度な刺激を与えてくれます。
最初は穴の入り口あたりを掃除していたかと思えば
少し経つと奥へと進み、それに合わせて音がやや近く重くなります。
音のバリエーションが豊富ですから聴いてて飽きが来ないです。

「例えば 30年後とか 50年後も こうして同じような体勢で 私が君に耳かきをしてるの」
「私は 君のこと 信じてるからね いちいちしないよ 嫉妬なんて」

耳かきをしている彼女の存在も忘れてはいけません。
基本的には控えめの吐息を漏らすだけのシーンが多いですが
ちょくちょく彼が寝てないか確認したり、こうしていることに喜びを感じているセリフを呟きます。

そんなに大したことを話さないのが恋人らしくていいですね。
仲のいい男女のありのままのひと時を演出しています。
お互いがお互いを強く信頼しているように感じられるものばかりでした。

続くマッサージは顔の位置を正面に戻し
彼女がローションを手に馴染ませた後、左右の耳を覆って同時に行います。

こちらも最初は「こりゅっ しゅりしゅり」と水分控えめの滑らかな水音が鳴っていたかと思えば
しばらく経つとだんだん水分が増しねっとりした音へと変化します。
主人公が彼女の声を聴き取りにくい状況を踏まえてセリフも耳かき以上に抑えられており
効果音と吐息だけが流れ続けるひと時はそのまま寝てしまいたくなるほどに穏やかです。

このように、リアルな音を駆使した温かみのあるサービスが繰り広げられています。
安眠のお供にぴったりな作品
多くのシーンを効果音を中心に進めている癒しに満ちた作品です。

主人公にあれこれしてあげるのが大好きな彼女が
今日という幸せな日の締めくくりに心を込めて耳のケアをしてくれます。
2人の心が深く通じ合っている背景を考慮しあまり多くは語らず
彼女がそこにいてお世話してくれている事実で癒しを与えてくれます。
そしてそう感じられるように効果音を巧みに使い分けています。

Project E.L.Cさんは音フェチ向けの作品を作られている比較的新しいサークルさんなのですが
以前聴いた作品では効果音ただ鳴らしているだけに思える部分も見られました。
しかし本作品ではキャラやシチュをしっかり考え、効果音も状況に応じた使い方がされています。
サービスに流れがあるおかげで以前に比べるとリアルになったと思います。

会話については彼女が結婚を匂わせている部分が多少重く感じるものの
2人の今後については明確な表現を避け、他愛も無いやり取りに留めてあります。
背景がしっかりしているからセリフに深みがあります。
イチャラブ成分もそれなりにある作品だなと。

効果音が生み出す静かさと2人が生み出す温かさが光っている作品です。
約1時間半で200円とコスパが良いのもポイント。
効果音が好きな人、安眠できる音声を探している人には特におすすめします。

CV:浅見ゆいさん
総時間 本編…1:27:32 ボイスのみ…1:27:20

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

方言を話す彼女はかわいい! ~大阪の年下彼女ちとせ~

サークル「からっかぜ」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する同サークルさんの処女作は
大阪弁を話す素朴な女の子が料理を振る舞ったり耳かきや添い寝をしてくれます。
ネイティブな声優さんならではのナチュラルな関西弁や
初々しく健気な彼女とのやり取りが心を少しずつ温めてくれます。



丁寧な関西弁を話す彼女
彼女の家で2人だけの一夜を過ごすお話。

「今日は楽しかったですねー こんなに遊びまわったん 私初めてかもしれないです」
彼女は素朴で可愛い声の女の子。
先輩とのデートで色々なところへ行って大満足した彼女は
その帰りに彼を自宅の夕食に招待します。

本作品はタイトルの通り彼女が全編にわたって大阪弁を話すのが最大の特徴です。
方言を扱った作品はここ1、2年の間にちょこちょこ増えてきているのですが
それでもまだまだレアなジャンルと言えます。
標準語に比べて言葉に柔らかさがある分、彼女に親しみを感じることでしょう。

また彼女はコテコテの大阪弁を使うキャラではなく
先輩に対して基本的には丁寧語で話します。
ですから字面だけを見るとそれほど大阪弁っぽく感じないかもしれません。
しかし実際に声を聴くと明らかな関西訛りがあります。
今時の若い女の子が使いそうなナチュラルな関西弁を心がけています。

「えっ エッチな事ですか? あっ あのその それは 時期とタイミングと勢いと覚悟が 水準をクリアした時に…」
ちなみに性格は手を握ったり体を寄せるだけでドキドキするほどの奥手。
作中で何度も見せる恥ずかしがる姿が可愛いです。
そんな彼女が今回のやり取りを通じてちょっぴり大人になるシーンもあったりと
2人の心の距離が更に縮まる様子も描かれています。



やや拙さを感じる初々しいサービス
「私ができることって すごく少ないけど よかったら 耳かきさせていただけませんか?」
夕食を済ませた直後に行う耳かきはおよそ7分間。
右→左の順に耳かき棒でお掃除してから梵天と息吹きをするシンプルなものです。

耳かき棒は「ズリ ジジッ」と細く尖った音を下から上へとかき出すように
梵天はふさふさとした柔らかくて軽い音を優しく回転させるように動きます。
効果音より声の方がボリュームが大きくて聞き取りにくいのが残念ですが
音や動かし方はきちんと考えられていて耳かきらしさが出ています。

「白熊がー 謎の病に倒れたー その日からー 町中 大騒ぎー」
また耳かき中は彼女が小まめに手を止めて話しかけたり小唄を唄い始めます。
ちょっぴり間の抜けた内容の歌詞を口ずさむその様子がとても嬉しそうで
彼女も先輩への耳かきを楽しんでいるのが窺えます。

元々の時間が非常に短かったり上記のようなシーンが登場することから
よくある耳かき音声のように効果音を楽しむタイプではなく
彼女に耳かきされている雰囲気を楽しむタイプだと思います。
純粋な耳かきのクオリティは少々厳しいかなと。

もう一つの柱である添い寝パートは15分ほど。
先輩に腕枕をされた彼女が今日の思い出を振り返ったり2つの小話をします。

「先輩 あの…その 今日はもう一歩だけ 進んでみてもいいですか?」
ストレートな愛の言葉をぶつけたり、ちょっとしたプレゼントをあげたりと
彼女が今日のデートを通じて先輩をより好きになったことが伝わってきます。
プレゼントは全年齢向けですからそこまでエロくはありません。
でも彼女の性格からすると相当な勇気が必要になる行為です。

「ここは闇の国です 一年中真っ暗で 明かりと言えば 月明かりと 星明りしかありません」
対する小話は恋愛要素抜きの癒しを重視した内容。
一つはとある王国を舞台にした和やかなお話
もう一つは大きなお魚が登場するちょっぴり幻想的なお話です。
そこまで壮大なストーリーや結末を設けず
寝物語としてリラックスしながら聴ける程よいところに落ち着いています。

このように、彼女と一緒にいる雰囲気を重視したサービスが行われています。



ほっこりする作品
奥手ながらも先輩に尽くそうとする彼女の姿に心が洗われる作品です。

彼女が生み出す独特のアクセントを持った声が
作品全体に穏やかな雰囲気を持たせています。
そして内容も他愛もないやり取りや癒し系では定番のサービスを用意するなど
聴き手がリラックスしやすい要素で統一されています。

総時間が寝息を除くと30分程度とコンパクトにまとまっていますし
少し時間に余裕がある時に休憩しながら聴くのもいいでしょう。
方言モノをいくつも聴いていますが、やはり標準語に比べて心休まるものを感じます。
彼女の素朴な性格にも非常にマッチしています。

耳かきや添い寝は競合作品が多いのもあってやや物足りなさを感じるのですが
処女作として見た場合、完成度はかなり高いと言えます。
現在はエッチな方言モノを製作中とのことですし、個人的には期待しています。

最近は効果音や環境音に力を入れる作品が増えている一方で
本作のようなキャラややり取りを大事にする作品は減りつつあります。
方言が一番の個性であるのは間違いないのですが
そういった要素を求めている方にもお薦めしたい作品です。

CV:ちなさん
総時間 40:47


オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります

ほんわか魔女の癒しお届け便

サークル「ステレオポッシ」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する同サークルさんの処女作は、明るくほのぼのとした雰囲気の魔女が
癒しのサービスや何気ない会話でひと時の安らぎを提供します。

良い意味で魔女らしくない彼女のキャラ、最中に鳴るリアルな効果音など
すべてがありのままの癒しの要素で統一されており
聴いているだけで自然とリラックスできる温かい空気に包まれています。
魔女が届ける癒しのプレゼント
魔女のルゥから癒しのサービスを受けるお話。

「あのー 癒しお届け便です 失礼します」
ルゥは明るくてほんわかした声の女の子。
主人公の依頼を受けて癒しを届けに彼の家へやって来ると
最初のサービスとしてハーブティーを淹れてあげます。

本作品は彼にひと時の癒しを提供するために
彼女が紅茶を淹れたりマッサージや耳かきをしてくれます。
魔女というとちょっぴり怪しいイメージを抱く人もいるでしょうが
魔術的な要素はほとんどなく、人間の女性と一緒に過ごす場合にとても近いです。

「簡単かとは思いますが あなたさまがリラックスでき 少しでも お疲れを労えましたら幸いです」
それどころか彼女は専門店の店員さん以上に親身になってサービスをしてくれます。
言葉使いは上のセリフのように丁寧なのですが
声や態度がとても柔らかく、その飾らない姿には大いに親しみを感じます。
「ちょっと変わったことのできる女の子」といった印象です。

サービスについても誰でもできる何気ないもので統一し
それらの多くをクリアでリアルな効果音を使って巧みに表現しています。


作品説明文には書いてありませんが、おそらく声と効果音の両方ともバイノーラル録音と思われます。
おかげで彼女が実際にサービスしてくれている気分がとても味わいやすいです。
特に紅茶を淹れるシーンは絶品と呼ぶに相応しい臨場感のあるサービスを聴かせてくれます。

一番最初に登場する紅茶を淹れて飲むシーンは15分ほど。
彼女が持っている大きなカバンの中に入ったティーセットを使い
カモミールティーを淹れて2人が飲むまでの一部始終を様々な効果音を交えてお届けします。

テーブルクロスを敷いてカップを置く音、特製のケトルとポットスタンドでお湯を沸かす音
カモミールの入ったティーポットにお湯を注ぐ音、カップに注いだ紅茶を彼女が飲む音など
セリフなしでもわかるくらいにありとあらゆる部分を音だけで表現しています。
「新規のサークルさんだから大したことはやってこないだろう」と思っていただけに正直びっくりしました。

さらに素晴らしいのがこれらを会話を交えながらスムーズに行っていることです。
音声作品は効果音を個別に録って、それらをセリフと組み合わせているはずなのですが
本作品の場合は先ほど挙げたすべての工程を慣れた手つきで切れ目なく行っています。
実際に紅茶を淹れている様子をそのまま音だけ切り抜いた感じですから当然リアルです。

「目の前で茶葉が踊るのを見ていると 水中庭園みたいで 少しだけ非日常感があって それだけを見てる なんだか 贅沢な時間」
「ふぅー やっぱりお茶はいいですねー ほっこりします」

最中に見せるルゥの屈託のない様子も心を潤します。
ティーポットにお湯を入れた後、そこに入ったカモミールの花が開く様子を楽しげに眺めたり
できたお茶を一緒に飲んで美味しそうな表情を見せたりと
癒しを提供する立場でありながら、彼女自身もこのひと時を楽しんでいる表情を見せます。

こういった様々な「何気なさ」が本作品が持つ癒しの源だと私は考えています。
温まった心と体で安らかな眠りへ
次に登場するマッサージはおよそ7分間。
座っている主人公の後ろにルゥがまわり、肩・首・頭の順に揉んだり擦ったりします。

ここでも擦るときは「しゅりー さすっ」とかなり滑らかな音
叩くときはトントンと拳が優しくぶつかる音
頭部マッサージでは「じり じょり」と髪越しにを指で擦っているような音、といったように
体の部位に合わせて音の質感や動き方を上手に切り替えてその様子を描いています。
特に頭部は音が一気に近づきますから、その特徴的な音が耳に心地よい刺激を与えてくれます。

もう一つの大きなポイントはバックで鳴る水滴の音。
マッサージをする前に彼女がラベンダーのアロマを焚くシーンがあり
ここから音声終了時まで水の滴る音がやや間を置きながら流れ続けます。

じっくり聞くと音の間隔が不規則なことから実際に焚いて流しているのでしょう。
音量も控えめで彼女の声やサービスの音を邪魔せずに良い雰囲気を出しています。

最後に行う耳かきは約8分。
膝枕の体勢でまずは指で両耳を同時にマッサージし
それから右耳→左耳の順に耳かき棒と綿棒で汚れを取り、最後に息を吹きかける家庭的なものです。

マッサージは「こしゅっ しゅりっ」と滑らかな音
耳かき棒は「ずり じょりっ」と若干ざらつきのある軽い音
綿棒は耳かき棒よりも音の位置がかなり近くざらつきのある音が使われており
マッサージと同じく音質、動かし方いずれもリアルと言えます。

「耳も「凝る」って言うんでしょうか? 痛いとき ありませんか? ふふっ 効くといいですね」
中でも耳をマッサージしている最中、彼女が話しかけてくるシーンで
セリフが若干篭るところが非常に印象的でした。
彼女の手が耳を覆っている状況ですから当然声は聞こえにくくなります。

こういった細かな部分もしっかり表現しているのは大手のサークルさんくらいです。
それを処女作でやってのけているのが素晴らしいですね。

しかし耳のマッサージと耳かきを合わせて時間が8分しかない影響で
ここだけはやや慌しくなっているのが残念です。
最低でも倍、できれば20分くらいの十分な時間を取ってじっくりやって欲しかったです。

このように、リアルな音を活用した臨場感のあるサービスが繰り広げられています。
何気ないひと時を切り抜いた作品
ルゥと同じ時間を過ごしている気分が味わえる良作です。

彼女は癒しを求める主人公のために、魔女らしいことは敢えてあまりせず
それぞれのサービスを心を込めてゆっくりと行います。

サービスの内容だけを見ると至ってシンプルです。
しかし、彼女の口調や態度から伝わる人としての温かさやリアルな効果音の数々が
実際にその場にいるような気分にさせてくれます。
そして彼女が紡ぐ何気ない言葉の数々が心をホッとさせてくれます。
作品を構成する諸々の要素が生み出すまったり感がとても心地いいです。

個人的に最も印象的だったのがこだわりのある演技の数々です。
ルゥのキャラやセリフ、最中に鳴る効果音を違和感無く組み合わせている点に加えて
一つ一つの動作に対しルゥ役の円木さんが実際にそう動きながら演技しているように見て取れます。

「和んでほっこりするような 癒しの時間をお届けに参りました どうぞ よろしくお願いいたします」
例えば冒頭で彼女が挨拶をするシーン。
上のセリフを言うとき「よろしくお願いいたします」の部分だけ声が若干篭ります。
それは円木さんがお辞儀をしながら言っているからと思われます。
他にも紅茶を淹れる準備のために取り出したカバンの説明をする際に
それをポンポンと叩いたり擦っているような微かな効果音が鳴ったりもします。

要は声だけでなく身振り手振りも交えながら演技しているっぽいのです。
これが本作品を妙にリアルに感じる要因なのではないかなと。
耳かきを実際に手を動かしながら演技されている作品とかはあるのですが
こういう何気ないセリフや動作にまでそうしている作品はあまり見ないです。
この作品に対するサークルさんの熱意が強く感じられました。

唯一残念なところを挙げるとするならやはり耳かきの短さですね。
サークルさんも自覚されているようですし、次回以降もっとボリュームのあるサービスにしてくれると思います。
この点を除けばパーフェクトと言えるくらいに高いクオリティを持っています。

ありのままを音声にしたような心安らぐ作品です。
約50分で300円とコスパもバッチリ。
以上を踏まえて本作品を条件付きの満点とさせていただきました。

CV:円木 左右子(つぶらぎ さうこ)さん
総時間 47:33

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は9点。
コスパがいいので+1してあります。

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