「2024年を振り返って(同人音声編) その1」では下半期に出た同人音声のランキングを紹介しました。
ここからは同人音声側における今年の大きな特徴や来年に関することを簡単に話します。
例年だとその前に今年活躍された新規のサークルさんを紹介するのですが
今年も該当者なしということで総評だけ書きます。
ネガティブな事柄も結構書いてるのでそういうのが嫌な方は読まないほうがいいでしょう。
AIの浸食がさらに進む
今年は量の面で見れば豊作、質の面ではやや不作~不作でした。
1年を通じて数多くの新作が発売されましたが
特定のサークルがAI産の挿し絵を使った作品を乱発するおかげで
まっとうに制作してるサークルさんの作品は相対的に減ってます。
昨年の時点でAI絵の作品は普通に出てましたから、それが増えることはある程度予想できました。

かつてゲーム業界ではブームに便乗した連中がクソゲーを乱発した結果
市場そのものが崩壊するアタリショックという出来事がありました。
同人音声業界にはそうなって欲しくないんですけど、それを心配したくなるくらい粗製乱造が横行してます。

参考までに数字を出しておきますと、今年下半期に発売された音声作品は12月21日の時点で7035本。
2023年の同期が5855本なのでおよそ1.2倍に増えてることになります。
ちなみにその中でAI一部利用じゃない作品は3384本です(およそ48%)。
つまり今年の時点で約半分の作品がAI絵になってます。

私が粗製乱造を嫌う理由はほぼ100%の確率で作品の質が大幅に下がるからです。
同人音声に限らず創作物はどれもインプットとアウトプットの組み合わせで成り立ちます。
良い作品を作るにはアイデアを生み出す機会や時間(余裕)も必要ということです。
葛飾北斎や手塚治虫クラスの人物でもない限り、毎週のように新作を出しながら質を維持するのは不可能です。
金儲けの手段としてもイマイチですし、彼らがなぜここまで量産してるのか理解できません。
割引の激化と商業化がさらに進んだ1年
今年挙げられる他の特徴はふたつ。
DLsiteで発売開始時の割引率の上限が50%OFFに引き上げられたことと
早期購入特典をつける作品がさらに増えたことです。

前者は以前だと最高30%OFFだったのがおよそ倍まで緩和されました。
確認したところ2023年12月20日頃から始まってます。
皆さんもいつの間にか変わってたことに気づいたのではないでしょうか。
定価1650円を4割引きで990円にする作品をそれなりに見かけました。

今の同人音声は声優さんへ払う依頼料の上昇などにより
以前よりも制作にかかるコストが増えてるようです。
その影響で1500円以上の作品をよく見かけるようになりました。
しかし割引上限の変更がされたため我々が買う時の金額はそれほど変わってません。
クーポンがひっきりなしに配られてることも加味すれば、むしろ安くなってるくらいです。

そしてこれはサークルさんから見れば原価を回収するのが難しいと言えます。
ここまで新作がバンバン出る状況だと売り値を上げることもできません。
それに2000円くらいまで上げたら今度は同人ゲームと競合する価格帯になります。
ゲームと音声が同じ値段だったら普通はゲームを買うんじゃないでしょうか。

今まで以上に難しい舵取りを要求されてて気の毒に思います。
まだ変更がかかってから1年しか経ってないので、本格的に影響が出るのはもうしばらく後になります。
将来何か気づいたことがあれば来年以降の総評で改めて紹介します。

もうひとつの早期特典については2023年の上半期でも触れましたが
その後さらに激化してより多くの作品で見かけるようになりました。
特典をつける期間や内容はまちまちですけど、スタートダッシュを決めたいという気持ちはみんな一緒です。
中には特典を20個以上つけるとんでもない作品もありました。

私は特典にまったく興味がないので、それの有無で購入を判断することはありません。
でも皆さんの中で「特典があるほうが得だな」と思う人が一定以上いるのは理解してます。
そうでもなければここまで特典が流行ることはないですからね。
サークルさんなりにどうすれば売れるか考えた結果がこれなのでしょう。
エロゲでよくやってることが同人でも起きてるところに商業化の波を感じます。

ちなみにオホ声に代わるブームは今のところ来てません。
そろそろ風向きを良い方向へ変えるきっかけが欲しいものです。

以上をもって同人音声側の総括とさせていただきます。
来年はもう少し良い1年になってくれることを心より願っております。

「2024年を振り返って(催眠音声編)」