クーポン+割引商法、VTuberやアニメ声優の参入
100円商法の開始など商業化が一気に進んだ2020年。
その翌年にはさらなる悪い波と新しいブームが同時に押し寄せます。
マイナージャンルが君臨する新しい時代
2021年の大きな特徴はふたつ。
100円商法の加速(100円サークルの大幅な増加)とオホ声の流行開始です。

100円商法は2020年の記事でも説明しましたがおさらいすると
例えば定価が1100円の作品を発売直後の1ヵ月限定で110円に設定し
期間が過ぎたら元の価格に戻してさも定価で大量に売れてるように見せる行為を意味します。

これの厄介なところは期間終了後にそれをやったサークルが手を加えれば
期間限定で110円だった記録を隠蔽できることです。
DLsiteもさすがにヤバいと感じたのか、この頃に更新情報で価格の変化を記載するようになりました。

また2020年から商業化が進んだおかげで新規参入するサークルさんが増えており
その中の一定数が100円商法に手をつけたため爆発的に増えました。
昨年はたまに見る程度だったのがこの年からほぼ毎日見かける状況に変化します。
それはこの記事を書いてる2023年でも続いており、業界にかなりの悪影響を及ぼしました。

唯一救いがあるとするなら古参のサークルさんが追従しなかったことです。
全員スルーとまではいきませんけど、9割がたは現状維持でそれでもちゃんと実績を残してます。
その結果100円商法は新規が粗悪品を安価で売りさばく手段になりました。
しかも競合作品が爆発的に増えた影響で個々のDL数も右肩下がりになっていきます。

最初から100円商法に手を出してるサークルで無事抜け出せたところはほとんどいません。
少額の利益を得るために粗製乱造を続けるか、ギブアップして撤退するかのどちらかです。
開始から1年後の時点でこのビジネスモデルは崩壊してます。

もうひとつのオホ声はある作品がきっかけで一気にブームへ発展しました。
オホ声音声は結構昔から存在するのですが
マニアックなジャンルのせいで一部のサークルさんが時々制作する程度に留まってました。
それが一躍人気ジャンルに躍り出たのがこの年になります。
今存在するオホ声音声の95%以上は2021年以降に発売してます。

そしてオホ声人気に合わせて色んなタイプの作品が出ました。
要所のみ漏らす従来のスタイル以外にとにかくオホ声を多く漏らす作品
吐息に合わせて「おほぉ」と控えめに漏らす作品
ゴリラやオットセイの鳴き真似みたいな激しい声を漏らす作品など様々です。

またオホ声はS向けの要素にあたるため
M向けやノーマル向けが主流だった音声業界のバランスにも変化を与えました。
実際に調べるのは不可能ですけどユーザーの分布も多少変わってるはずです。
業界が順調に大きくなったからマニアックなジャンルも受け入れられるようになったのだと思います。
新しいブームを支えた作品たち

「おほガキ<ぷち>~おしゃれを覚えたばかりのマセガキが突然のわからせグチュグチュおせっせで喉の奥から絞り出した絶え間ないオホ声~」


オホ声ブームの火付け役となった作品。
特殊能力を持つ教師が学校の保健室でメスガキとエッチします。
総時間30分のコンパクトな作り、ノーマルオホ声と清楚オホ声の2パターンあること
定価が110円と非常に安いことなどオホ声入門者に適した要素を取り揃えてます。

オホ声に限らずブームは多くの人に興味を持ってもらうところから始まります。
それに必要な条件を完璧に満たしてる本作品はオホ声の普及に多大な貢献をしました。
同じ月に別のシチュで内容をパワーアップさせた作品を発売するなど
マーケティングの面でもお手本になるものを持ってます。

「巨乳後輩チアガールがチンカス汚ちんぽにご奉仕してくれるお話♪」


2021年の6月に参入したホロクサミドリさんの処女作。
同人音声ではマイナーだったチンカスを前面に押し出したエッチが支持を得ました。
この後もチンカス作品を数多く制作するなど、オホ声と同じく新ジャンルの発展に貢献してます。

「もちもちぷにまんの強制パコパコセックスに合わせておちんちんしこしこゲーム~桃狐のFapHero型射精管理オナサポボイス~」


FapHeroと呼ばれる珍しいジャンルの同人動画作品。
画面上に表示されるノーツ(リズムを指示するアイコン)に合わせてオナニーする
音ゲーのような新感覚のオナサポが楽しめます。

今のところFapHeroを手掛けてるのは桃狐の変態調教課題さんだけですが
オナサポ音声の発展型としてまだまだ伸びる可能性を秘めてます。
催眠音声側の催眠アニメと同じように、音声を動画化する動きが見られるところに時代の変化を感じます。

「キスしないと好きになる一週間」


同じ学校に通ってる男女がキス特化のエッチをする作品。
最初は2人とも相手を好きになるのを食い止めるためにキスするのですが
それを続けるうちに心情が変わって本物の恋人になります。
斬新な設定と大ボリュームのキスが多くの人に刺さり、2021年の総合ランキング4位に輝きました。

「海中ホテルで過ごすおっとりメイドさんとの癒しの時間」


両親が経営してるホテルで働く女の子がマッサージや耳かきをする全年齢向け作品。
物語の序盤からバックでブクブクという水中音を流して海底にいる雰囲気を作り
さらに音質と動きが完璧なサービスをしてて感動しました。
ここまで優れた音を出せるサークルさんは現在でもごく僅かです。

こうやって見ると既存のサークルさんが安定した活躍をする一方で
新ジャンルがいくつも出てきて業界全体の層が厚くなってる
のがわかります。
100円サークルというマイナス要素があっても一応は「成長してる」と言える状況でした。

次回は2021~22年の催眠音声に関するあれこれを紹介します。
同人音声業界の歴史 その19 「催眠音声編(2021~22年)」