「2022年を振り返って(同人音声編) その1」では下半期に出た同人音声のランキングを紹介しました。
ここからは同人音声側における今年の大きな特徴や来年に関することを簡単に話します。
例年だとその前に今年活躍された新規のサークルさんを紹介するのですが
今年は該当者なしということで総評だけ書きます。
数だけを見れば盛況に思えるが
今年は量の面で見れば豊作、質の面ではやや不作でした。
同人音声は1年を通して週末を中心に数えきれないほどの新作が出ましたし
新規のサークルさんも続々と参入されて大いに賑わってました。
同人音声をよく知らない人が見たら「この業界は盛り上がってるなぁ」と思うでしょう。

私のほうで調べたところ、今年発売された音声作品の総数は現時点で6189本。
昨年が4784本ですからおよそ1.29倍と驚異的な伸び率を誇ります。
ただしこれは活動するサークルさんが同じくらい増えたというよりは
一部のサークルさんが極端なハイペースで新作を出し続けたのが影響してます。

週2本出し続けてる例のサークルさんだけじゃなく、他の方も量産体制に移りつつあります。
サークル名を変えてバレにくくする細工を施してる人もいるので
表面上は色んなサークルさんが新作を出してるように映るわけです。
1日で5本出す人もいるなど新作数だけはどんどん増えてます。

同人音声はゲームと違い粗製乱造がある程度可能な媒体です(催眠音声は除く)。
だからこういう工業生産的な活動が横行してるのでしょう。
私もそれらの作品を小まめにチェックしてますが、過去に出た作品の焼き増しみたいな内容ばかりです。
他サークルさんの名作をパクったものも見かけましたし
同人にとって重要な「創作力」が衰えてるなぁと思います。
これといって成長がなかった1年
今年1年を通じて言える大きな特徴はふたつ。
オホ声の流行と100円サークルのさらなる氾濫です。

オホ声は昨年にブレイクして一大ジャンルへ成長しました。
その時から同人音声を出してるサークルさんはもちろん、後から参入してオホ声作品を出したり
普段はまったく別のジャンルをやってるサークルさんがいきなりオホ声を出すケースもありました。
そしてこれらは出演する声優さんがある程度絞られてます。

オホ声は音声の強みを活かせるジャンルだと思います。
だからこうしてもてはやされるのも割と頷けます。
ただ供給過多に陥り始めてるようで、下半期に入ってからDL数の伸びが鈍化してます。
売れてるサークルさんは相変わらず売れてますけど去年ほどの勢いはなくなりました。

今後はただオホオホ言うだけの作品は淘汰されて
オホ声の魅力を引き立てる工夫をしたり、それ以外の個性を持つ作品が生き残るでしょう。
耳かきブームや耳舐めブームの時もそうでしたから別に不思議なことではありません。
ここまで盛り上がったのなら急激に廃れることはないと思います。

もうひとつの100円サークルについては昨年からやってた人たちだけじゃなく
主に新規で参入してきた方々が同じ売り方をするケースを何度も見ました。
現在は200円や300円に値上げして売るケースが多いですけど
1000円の作品を発売時に期間限定で100円にしたところから始まってるので
今後も100円サークルと呼ぶことにします。

ただ昨年以上に競争者が増えたことを受けてDL数の面ではかなり落ち込んでます。
そもそも4桁に届く作品が結構絞られてきてますし、5桁を達成することは随分稀になりました。
100円商法をすればするほど聴き手は慣れて関心を示さなくなります。
さすがに黒字にはなってると思いますけど、満足できるレベルの儲けを出すのは相当に難しい状況です。

ここからは思いっきり個人的な意見を書きます。
DL数が以前よりもガタ落ちしてるのになぜ100円商法を続けるのか私には理解できません。
こういう売り方をする時点で作品に対する思い入れは相当に薄いはずですから
それなら1円でも多く儲けることが制作する目標になると思います。

でも先ほど書いたように残念ながら儲けの面でもあまりうま味がないように見て取れます。
己を表現したいわけではない、かといってお金儲けにもなってない。
「じゃあこの人たちは何のために音声を作ってるんだ?」というのが率直な感想です。

私が100円サークルの作品を一切レビューしない理由もここにあります。
優れたサークルさんは何かしらの想いや欲望を作品に込めてます。
それがあるから感動したり興奮できるわけです。

「サークルの知名度を上げるために100円商法をしてる」という意見を以前見たことがあります。
でも100円商法で得られるのは100円サークルとしての名声だけです。
現に100円サークルが100円商法をやめて爆死した例を何度か確認してます。
そしてまた100円商法に戻るから結局何も変わりません。
このへんで終わりにしますけど、今の100円サークルはよくわからないことやってるなぁって思います。


最後に今年1年を短くまとめて締めくくります。
私が2022年を一言で表現するならそれは「停滞」です。
良くも悪くもあまり変化のない1年でした。
私が昨年に引き続きオホ声と100円サークルをトピックに挙げたのはそれを強調するためです。

以上をもって同人音声側の総括とさせていただきます。
来年は良い方向へ前進することを心より願っております。

「2022年を振り返って(催眠音声編)」