同人音声の部屋

同人音声および催眠音声(トランス/暗示ボイス)について、平均3000文字程度のオリジナルレビューを掲載しているサイトです

タグ:浅見ゆい

   ● 【耳かき・マッサージ】君の彼女【吐息】
   ● 休日屋 ━丹の家━
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   ● 休日屋
   ● 世話好きな彼女。
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   ● お家でゆっくり癒されませんか?
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   ● 縁側でまったり耳かきとお昼寝
   ● 波の音と彼女に癒される安眠音声


【耳かき・マッサージ】君の彼女【吐息】

サークル「Project E.L.C」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、好きな人にお世話をするのが大好きな優しい彼女が
長時間に渡る癒しのサービスで主人公に安眠を提供します。

サークルさんの持ち味とも言える多彩な効果音を使った耳かきに加え
今回はローションを使った耳マッサージも行われており
両耳で別々に鳴る控えめな水音が耳に心地よい刺激を与えてくれます。
デートの後はお家でのんびり
彼女に耳かきと耳マッサージをしてもらうお話。

「はぁぁ 今日もあっという間だったね」
彼女は温かくで優しい声の女の子。
主人公と色々なところに出かけた日の夜、彼の家でその様子を楽しそうに振り返ると
泊めてもらうお礼に耳かきをしてあげます。

本作品はデートを終えて適度に疲れた彼のリクエストに応えて
彼女がいくつかの器具を使い分けながらおよそ1時間に渡る耳かきをし
仕上げに25分ほど両耳を手や指で揉みほぐします。

2人が十分に楽しんだ後ということで全体的にセリフは少なく
最中は30秒~1分程度の短い間隔で効果音を小まめに変化させながら
同時に彼女の息遣いが聴こえる静かなひと時が楽しめます。


かなり音フェチ向けの作りですからそういうのが好きな人には強くおすすめします。
他にも安眠を目的に寝ながら聴くのもいいでしょう。
全編に渡ってのんびりとした心安らぐ雰囲気が漂っています。

「耳かきに慣れるとさ 耳かきをされないと寝付けなくならない?」
そしてセリフのボリュームが少なめだからこそ
サービスの合間に交わされる2人の何気ないやり取りに温かさを感じます。
将来結婚しようと思っているそうですから付き合いも長いのでしょう。
2人でいることや耳かきをしているのが当たり前のような落ち着いた態度を見せてくれます。
多彩な効果音を駆使した大ボリュームの耳かき
彼女が最初に行う耳かきはおよそ60分。
膝枕の体勢で右耳→左耳の順にブラシつきの耳かき、通常の耳かき、梵天を使い分けてお掃除します。
息を吹きかけるシーンはありません。

ブラシつきの耳かき棒は「ぞりぞり じりっ」と乾いた軽い音
通常の耳かき棒はそれよりも細く硬い音
梵天は「すりすり ずずー」と柔らかくふわふわした音が使われており
耳かき棒は掻き出したり耳の壁をなぞる、梵天は回転させる動きを中心に目まぐるしく変化します。
音・動かし方いずれもリアルなほうと言えます。

ちなみに本レビューに書いてある使用器具は私が聴いた際に判別できたものですので
もしかしたらこれ以外の器具が使われているかもしれません。
彼女が最初の段階でブラシつきの耳かきを使うと宣言する以外は「~に変えるね」みたいなことを言わず
しばらく経って気づいたら音質が変わっている、といった自然な演出がされています。
確かに2人の関係を考えればいちいち言うほうがおかしいようにも思えます。

最も特徴的なのはやはりブラシつきの耳かき棒でしょう。
耳かき棒よりも綿棒に近い広さとざらつきのある音が耳に適度な刺激を与えてくれます。
最初は穴の入り口あたりを掃除していたかと思えば
少し経つと奥へと進み、それに合わせて音がやや近く重くなります。
音のバリエーションが豊富ですから聴いてて飽きが来ないです。

「例えば 30年後とか 50年後も こうして同じような体勢で 私が君に耳かきをしてるの」
「私は 君のこと 信じてるからね いちいちしないよ 嫉妬なんて」

耳かきをしている彼女の存在も忘れてはいけません。
基本的には控えめの吐息を漏らすだけのシーンが多いですが
ちょくちょく彼が寝てないか確認したり、こうしていることに喜びを感じているセリフを呟きます。

そんなに大したことを話さないのが恋人らしくていいですね。
仲のいい男女のありのままのひと時を演出しています。
お互いがお互いを強く信頼しているように感じられるものばかりでした。

続くマッサージは顔の位置を正面に戻し
彼女がローションを手に馴染ませた後、左右の耳を覆って同時に行います。

こちらも最初は「こりゅっ しゅりしゅり」と水分控えめの滑らかな水音が鳴っていたかと思えば
しばらく経つとだんだん水分が増しねっとりした音へと変化します。
主人公が彼女の声を聴き取りにくい状況を踏まえてセリフも耳かき以上に抑えられており
効果音と吐息だけが流れ続けるひと時はそのまま寝てしまいたくなるほどに穏やかです。

このように、リアルな音を駆使した温かみのあるサービスが繰り広げられています。
安眠のお供にぴったりな作品
多くのシーンを効果音を中心に進めている癒しに満ちた作品です。

主人公にあれこれしてあげるのが大好きな彼女が
今日という幸せな日の締めくくりに心を込めて耳のケアをしてくれます。
2人の心が深く通じ合っている背景を考慮しあまり多くは語らず
彼女がそこにいてお世話してくれている事実で癒しを与えてくれます。
そしてそう感じられるように効果音を巧みに使い分けています。

Project E.L.Cさんは音フェチ向けの作品を作られている比較的新しいサークルさんなのですが
以前聴いた作品では効果音ただ鳴らしているだけに思える部分も見られました。
しかし本作品ではキャラやシチュをしっかり考え、効果音も状況に応じた使い方がされています。
サービスに流れがあるおかげで以前に比べるとリアルになったと思います。

会話については彼女が結婚を匂わせている部分が多少重く感じるものの
2人の今後については明確な表現を避け、他愛も無いやり取りに留めてあります。
背景がしっかりしているからセリフに深みがあります。
イチャラブ成分もそれなりにある作品だなと。

効果音が生み出す静かさと2人が生み出す温かさが光っている作品です。
約1時間半で200円とコスパが良いのもポイント。
効果音が好きな人、安眠できる音声を探している人には特におすすめします。

CV:浅見ゆいさん
総時間 本編…1:27:32 ボイスのみ…1:27:20

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

休日屋 ━丹の家━

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今年4月に発売された大人気作品「休日屋」の続編にあたる本作品は
可愛い女の子と一緒に過ごす田舎の休日を隅から隅までお届けします。

専門店よりは家庭に近いのんびり、まったりしたサービスを行ってくれるのが特徴で
耳かきやマッサージはもちろん、お散歩や花火といった何気ないものも取り入れながら癒しを与えてくれます。
都会を離れて田舎でのんびり
休日屋の店員「安土日向(あづちひなた)」と一日を過ごすお話。

「あっ! こんにちはー こっち こっちですよー」
日向は明るくて優しい声の女の子。
とある夏の日、休日屋にやってきたお客を駅まで迎えに行くと
一緒の日傘に入りながら歩いてお店に向かいます。

休日屋は都会で忙しい日々を送っている人々に個別に手紙を送り
来てくれた人には無料で様々なサービスをしている変わった専門店です。
サービスの内容は汗拭き、かき氷、マッサージ、お散歩、花火、お風呂での洗浄、耳かき、添い寝、朝食など
専門店では定番のものからあまり見かけないものまで多種多様。
まさに休日を丸々切り取ったかのような充実したひと時が味わえます。

総時間が3時間30分(おまけも合わせると約4時間)と大ボリュームなため
今回は個人的に気になったサービスをいくつかピックアップしながら紹介します。
価格がたったの200円とコスパが驚異的に良いですから興味を持った人が聴く分には100%損はしません。
ですから残りの部分は聴いてのお楽しみとさせてください。

作品全体における大きな特徴はリアルな効果音や環境音が効果的に使われていること。
冒頭のお客が乗った電車が到着するシーンでは
電車の音はもちろん、ドアが開くのと同時にセミや鳥の鳴き声が聞こえ始めるなど
その場の様子を細かな変化も見逃さずに音だけでリアルに表現しています。

日向や彼女の姉の安土日登魅(あづちひとみ)もそれなりにしゃべるのですが
聴いた限りではやはり音を中心に構成されている印象を受けます。
特に今回は場所や時刻の変化による環境音の移り変わりに力を入れることで
夏のとある一日の様子を臨場感たっぷりに演出しています。
定番のものから変わったものまで
ここからは本作品ならではのサービスの中からかき氷とお散歩を
他の作品にもある定番のサービスとしてお風呂と耳かきを個別に紹介していきます。

日向がかき氷を振舞ってくれるのは4番目の「夏といえば!」パート(約9分間)。
お店の縁側で彼女が手動のかき氷機でかき氷を作り、日登魅を含めた三人で食べます。

日登魅「あっ 私メロンがいいわ メロンー」
日向「はいはい 自分でかけてくださいねー」
氷を削る際に鳴る「シャリ シャリ」という小気味のいい音が耳に心地よく
姉妹のテンポのいいやり取りやかき氷につきものの頭がキーンとなるシーンなど
夏らしさを押さえながら癒しも感じるほのぼのとした一幕が楽しめます。

本作品における日登魅は日向がいない間にお客にちょっかいを出したり
逆に二人がより親密になれるよう密かにサポートするゲストキャラみたいな位置づけです。
専門店といえばお客と店員が一対一であれこれすることが多いだけに
彼女の存在がちょっとしたアクセントになっています。

そして先ほど説明した「環境音の移り変わり」が最も如実に表れているのが6番目の「お散歩」パート。
13分ほどをかけて近所の川辺まで歩きお店に戻ってくる至ってシンプルな内容なのですが
1分ほど経つとセミが止まっている木を通り過ぎたのか、鳴き声が徐々に近づいてから遠ざかっていったり
しばらくすると今度は鳥が鳴くようになり、それに合わせて川のせせらぎが少しずつ近づいてくるなど
二人が移動している様子がほとんど音だけで見事に表現されています。

こういう環境音がリアルタイムで変化する作品は、他のサークルさんで1作出ているくらいで非常に少ないです。
音質自体も極めてリアルですし、すべてが自然だから聴いていてとても落ち着けます。
本作品の音の良さがよく表れているパートと言えます。

対する後半に登場する定番のサービスはいずれも20分前後と時間が長く
質の高い音の数々を落ち着いた雰囲気でたっぷりと楽しませてくれます。
中でもサークルさんが最も得意とされている耳かきは2パート55分(おまけも合わせればさらに増えます)もあり
そのまま寝てしまいたくなるほどの大きな癒しのパワーを秘めています。

その前に紹介するお風呂での洗浄が登場するのは9番目の「夏のお風呂!」パート。
水着姿の彼女に背中を流しシャンプーとトリートメントをかけてもらってから一緒に湯船に入ります。

「次に シャンプーなんですけど じゃーん 冷やしシャンプー!」
ここでは夏に合わせて冷やしシャンプーを使っているのがいいですね。
「ぽしゅ しゅくっ」という独特な効果音を左右別々の位置やペースで鳴らして洗い
それからしばらく放置してパチパチと泡が弾ける音を楽しみます。
シャンプー音が耳に与える心地よい刺激が癖になる人もいるでしょう。
水着姿を見られてちょっぴり恥ずかしがる日向の姿も初々しくて可愛いです。

そして本作品では最も長い時間が取られている日向の耳かきは31分間。
耳の外側を蒸しタオルで拭き、膝枕の体勢で右耳→左耳の順に耳かき棒と綿棒を使って汚れを取り
仕上げに梵天をかけながら数回息を吹きかける丁寧なスタイルです。
ちなみにもうひとつのパートは後日お客の自宅で日登魅がしてくれます。

耳かき棒は「すり ぞり」と比較的滑らかで乾いた音
綿棒は「すすっ ちり」と軽い圧迫感のある柔らかいとした音が使われており
前者は耳の壁を奥から手前に優しく引っかくようにゆっくりと
後者は軸をゆっくり回転させて汚れを絡め取っていくように動きます。
サークルさんの過去作同様極めて質の高い耳かきと言えます。

「気持ちいいです? 癒されてますか? 私も あなたにする耳かき 幸せですよー」
どの音も力加減が弱められているので30分聴き続けたとしても耳が痛くなる可能性は低く
日向の微かな吐息や幸せそうなセリフも心を温めてくれます。
ここまで来るとバックでは控えめな鈴虫の声が鳴るようになり
前半とはまるで違う静かな夜の雰囲気を醸し出しています。

このように、明るい癒しと落ち着いた癒しの両方が味わえる濃ゆいサービスが繰り広げられています。
季節感を大事にしている作品
夏という題材を様々な部分に織り交ぜながら癒してくれる作品です。

本作品ならではのものから王道的なものまで数多くあるサービスを
時間や場所の変化を意識しながら上手に繋げて夏の一日を演出しています。
専門店におけるサービスは個々が独立している場合が多いのですが
本作品には内容はまったく違ってもサービスごとにきちんとした関連性があります。
例えばお店に来るまでに汗をかいたからタオルで拭き、それから涼を取るためにかき氷を食べるといった感じです。

サービスの内容も夏の中にある涼を感じさせるものが多く
それをバックで流れるセミの鳴き声や風鈴の音が盛り上げます。
効果音と環境音のレベルが高く扱いにも長けているサークルさんだからこそ作れる作品です。

「私もこの一日を ずーっと忘れません」
それらを行ってくれる日向の存在も忘れていけません。
田舎の子らしい純真で献身的なキャラが癒しを与えてくれます。
前作では効果音が圧倒的に強く影が薄い印象を受けたのですが
今作では日登魅とのやり取りも交えつつ彼女らしさをしっかりアピールしています。

今の季節にぴったりな癒し系作品です。
サービスのクオリティの高さ、ボリュームの多さ、それに対する価格の安さを考慮し
本作品をサークルさんでは5本目の満点とさせていただきました。

おまけは「ある日の休日屋」です。

CV:日向…浅見ゆいさん 日登魅…藤堂れんげさん
総時間 本編…3:28:20 おまけ…32:17

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

追記
おまけの「ある日の休日屋」はニコニコ動画に投稿されている「声付き耳かき音を作ってみた20」と同じです。
購入を迷われている方は参考に聴いてみてください。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm26778548

雨と還る

サークル「添音亭」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、とある事情で突然の離別を余儀なくされた彼女が
雨の降る日に主人公と再会し幸せなひと時を送ります。

サークルさんの最大の武器とも言える音のリアルさに加えて
癒しのサービスを行いながら過去の思い出や現在の心情を語るといった
ボイスドラマ的な要素も色濃く持っているのが特徴です。
彼女の言葉や仕草の中に見え隠れする物悲しさが心の汚れを洗い流してくれるでしょう。
大切な人と送るこの世で最後の一日
元恋人の詩織に耳かきや添い寝をしてもらうお話。

「久しぶり あの… 信じてもらえるかわからないけど 帰ってきちゃった」
詩織は明るくて穏やかな声の女性。
とある雨の日、一年前に事故で亡くなった彼女が主人公の目の前に現れ
事情を説明するところから物語は始まります。

彼女はこの世の未練を断ち切るために一日だけ特別に現世に行くことを許され
家族でも友人でもなく恋人と過ごすことを自ら選び、彼の前に現れました。
つまり幽霊に近い存在なのですが物理的な接触は可能らしく
この後彼の家で一緒にお茶を飲んだり耳かきをしたりして過ごします。

一般的な癒し系作品で行うサービスに彼女の境遇や時間制限といった別の要素が加わり
それが二人が過ごすこのひと時をとても濃厚なものへと作り変えています。

この世で送る最後の一日に何を思い、どうやって過ごすのか。
セリフだけでなく行為や仕草によっても彼女はその胸の内を語ってくれています。

「病気とかしてなくてよかった だってそりゃ 元気に笑ってて欲しいからさ」
こんな風に書くとえらく寂しい雰囲気の作品に思えるかもしれません。
ですが実際は世間一般的な恋人たちが過ごす様子とそれほど変わらず
彼女は最近の仕事の調子や体調など他愛も無い話から切り出します。

耳かきや添い寝は割と普通に近い感じにやって最後に泣かせてくれる作品ですので
サークルさんの過去作と同様にリアルな音を楽しみたい、安眠目的に寝ながら聴きたい人も問題なく楽しめます。
今作は雨の日らしく全編を通じて落ち着いた雨音がバックで鳴り続け
一部のシーンでは雨足をちょっぴり変化させるきめ細かな演出もされています。
愛に溢れた癒しのサービス
主人公の家で一息ついた後に行う耳かきは20分30秒ほど。
膝枕の体勢で右耳→左耳の順に耳かき棒のみを使って丁寧に汚れを取り
最後に一回ずつ長めに息を吹きかける家庭的なものです。

耳かき棒は「しょり ぽり」と乾いた柔らかい音が使われており
前半から中盤にかけては穴の下から上へと掻き出すように
終盤は奥を掃除しているのか、それ以前よりも少し近い位置でゆっくりと動きます。

耳かき音の刺激・ボリューム・動かし方のすべてがソフトなものに統一されており
耳をくすぐられる感覚が若干弱くなってる半面、耳に優しく聴きやすさを感じます。
最中微かに聞こえてくる彼女の吐息や遠くで聞こえる雨音も落ち着いた雰囲気を与えています。
しっとりとした耳かきと表現するのが妥当でしょう。

「いつも頑張ってるから 頑張りすぎてないか ちょっと心配」
「何回死んで 何回生まれ変わっても また好きになりたいし 好きになって欲しいよ」

そして耳かきをしながら詩織は一年間の隙間を埋めようと様々な話題を振ります。
その多くが彼の体や行く末を気遣うものなのですが
初デートの思い出を語りながらこの世に未練があることを告げるなど
大事な人を想う気持ちと己の願望の間で葛藤する様子が窺えます。

聴いた限りでは二人のやり取りを重視している耳かきに思えます。
彼女が語り始めるタイミング、話題の内容、その際の気持ちやその移り変わりが
短いながらも美しいセリフの数々によって事細かに描かれています。

彼女が残り少ない時間を大切に思い、悔いの残らないよう過ごそうとしているのが強く伝わってきます。

続くおやすみパートは添い寝がメイン。
詩織が同じベッドの左側に陣取って寝息を立てたり時折語りかけてきたりします。
サークルさんの他作品と同じくセリフを極端に絞った安眠重視の作りです。

「いつまでも 私のこと 想ってなくていいよ」
彼女は夜が明けると雨が止む、つまりこの世から去らなければならないことを知っており
彼が幸せに暮らせるよう自分のことを忘れ他の女性を愛するよう持ちかけます。
本人にとっては身を切るような思いだったに違いありません。
それを敢えて行うところに彼女の愛の強さが現れています。

時間に対する会話量が少ないからこそ、そのひとつひとつの言葉や表現が選び抜かれており
彼女が彼に対して伝えたかった想いがストレートに、そして濃密に込められています。
ホッとする、安心する要素に加えてホロリと泣ける要素もある。
サークルさんの長所を活かした癒し系音声としてのひとつの終着点がそこにはあります。
心洗われる作品
詩織の献身的な態度が癒しを、寂しさを含んだセリフが涙を与えてくれる作品です。

現世での自分に後悔を残さないように、そして残された最愛の人がこの先幸せに生きていけるように
彼女は癒しのサービスをしながら彼に対して気遣い、勇気付け、感謝するセリフを投げかけます。
これらのセリフ自体は他の癒し系作品でもそれなりに見かけるものなのですが
彼女が既に死んでおり、彼と元の関係に戻る可能性も断たれている背景があるおかげで
どのセリフもとても重く価値のあるものに感じられます。

そして静かな雨音や控えめな耳かき音といった諸々の音も彼女の心情を語っています。
ストーリー・キャラやセリフ・声や音のバランスが高いレベルで取れているからこそ
聴いていて落ち着く、泣けるといった感情が湧き上がってくるのです。
どれかひとつでも欠けていたらここまで心に響くことはなかったでしょう。

「私のこと 好きになってくれて ありがとう たくさん たくさん愛してくれて ありがとう」
一番最後の「雨と還る」パートではすっかり寝入った主人公に
彼女がお別れの挨拶をしながら自分の本音を漏らします。
100%ハッピーエンドとはさすがに思いません。
でも過ごした日々を振り返ってみて、それが幸せと感じられたのならいいのではないでしょうか。
悲しさをはらんでいながら最後はスッキリさせてくれるところも見事です。

一般的な癒し系作品とは違った方向から心を温めてくれる作品です。
人の優しさに触れたい人、泣ける作品を求めている人に特にお薦めします。

CV:浅見ゆいさん
総時間 1:29:14

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

休日屋

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、とある田舎にあるお店を舞台に
可愛い女の子が様々なサービスをしながら癒しを与えてくれます。

耳かきやマッサージといった王道ものから食事などのあまり見みかけないものまで
ありとあらゆるシーンをリアルな効果音によって見事に演出しています。
合間に見せる彼女の言葉や仕草も店員よりは恋人に近い人懐っこさがあり
聴き進めていくほど心が落ち着いたり温まる気分が強くなります。



田舎で女の子と過ごす静かな一日
休日屋の店員「安土ひなた」からサービスを受けるお話。

「こんにちはー あれ…お客様ですよね?」
ひなたは明るくて柔らかい声の女の子。
お店の近くにある無人駅まで主人公を迎えに行くと
軽い挨拶をしてから早速案内します。

本作品は2人がとある休日をお店で過ごす様子を
全部で12ものシーンに分けてリアルに描いています。
とみみ庵さんといえば耳かきを中心とした高品質な音で有名なサークルさんなのですが
今回は効果音や環境音に加えてストーリーもしっかりと組み立てられており
作品の世界にどっぷりと浸かりながら癒しを得ることができます。

「手を引いてもらうほどじゃないんですけど でもせっかくなので このまま手を繋いで上がってもらえますか? えへへ」
お相手を務めるひなたも主人公が休日を満喫できるようにと
堅苦しい言葉遣いをせずとても親しい態度で接してくれます。
よくある専門店のように決まりきったサービスを淡々と行うのではなく
主人公のリクエストに応える形で進めていきますから
どちらかというと店員さんより友達とか恋人に近い印象を抱くでしょう。

実際に行うサービスも家庭的なものが多く
田舎のお家で普通に過ごすのんびりとした雰囲気が漂っています。



飾らないサービス、飾らない音、飾らないひなた
休日屋に着いた後に行うサービスは全部で7つ。
登場順に肩や首のマッサージ、昼寝&添い寝、食事、散歩、お風呂、爪切り&顔の保湿、耳かきです。
さすがに全部説明していくのは字数的に難しいので
今回は個人的に気になったサービスを抜粋して紹介します。

「それじゃあまずは… 電車と慣れない田舎道でお疲れでしょうから マッサージなんてどうですか?」
一番最初に行うマッサージはおよそ5分30秒。
主人公にうつぶせになってもらってから
肩のあたりを手のひらで擦ったり、拳で軽く叩いたりします。

擦るときは「サッサッ シュルー」と乾いた滑らかな音
叩くときは「ぺちぺち ぱたぱた」と肉が軽快にぶつかる音など
サークルさんの持ち味とも言えるハイレベルな効果音が序盤から数多く登場し
音だけでマッサージの様子をとてもわかりやすく伝えてくれます。

音の動かし方についても同じ音やリズムがほとんど無いほど変幻自在。
特に拳で叩くシーンでは耳の下あたりに心地よい振動が感じられます。
毎回聴いてる私がその都度「すげぇ」と思うくらいですから
サークルさんの作品を初めて聴く方はそのリアルさにきっと驚くはずです。

「少しずつ ほぐれてきたんじゃないです? せっかくのお休みなんですから 緊張したままじゃ損ですよ?」
合間に交わされるひなたとの会話も重要なポイント。
彼女はいつも都会で過ごしている彼が休日を存分に楽しめるよう
マッサージをしながら少し砕けた調子で語りかけます。
このフレンドリーな態度がいい意味で専門店らしくない雰囲気を出しており
それが自宅で過ごしているかのような寛いだ気分にさせてくれます。

サークルさんのいつもの作品だとサービス中はほんどしゃべることがないだけに
ファンの方はいつも以上に彼女の存在や温もりを強く感じるでしょう。
といっても常にべらべらしゃべるのではなくそれぞれを固めて聴かせてくれますから
従来どおりの音フェチ的な要素もかなり強く残っています。
セリフと効果音のメリハリを持たせながらサービスを行っているところがいいですね。

耳に最も心地よい刺激を与えてくれるのは中盤に登場するお風呂パート(約13分)。
ここでは水着姿になったひなたが背中を流したりシャンプーやトリートメントをかけます。
全年齢向けですのでエッチな描写は一切ありません。

「人に髪を洗ってもらうのって 私も好きなんですよ 気持ちよくって」
シャワーも無い旧式のお風呂なのがわかるように
その都度湯船から盥にお湯をすくって背中や頭にゆっくりとかけながら
背中を洗うときは「ぷすぷす しょわしょわ」とスポンジで泡立てるような音
シャンプーは「しゃくしゃく わしゃわしゃ」と柔らかく弾けるような音を
それぞれの部位に応じた動かし方や距離で鳴らします。

どちらもかなり特徴のある音なので刺激が伝わりやすく
とりわけシャンプーは音が耳に非常に近いことや動かし方がややハードなことから
耳の表面を軽く叩かれているような心地よい感覚がするでしょう。
今までいくつかシャンプーをかけてくれる作品を聴いていますが
これほどまでにパーフェクトなシャンプーは初めてです。

そして最も時間の長いサービスはもちろん耳かき(23分)。
最初に仰向けの状態で左右同時に保湿クリームを塗ってから
右→左耳の順に綿棒を使って耳の入り口や奥のほうを掃除し
仕上げに梵天で細かい汚れを落とします。
息吹きは左耳の時にほんの少しだけ行ってくれます。

綿棒は手前では「すりすり しゅるー」と面積が広く滑らかな音
奥に移ると手前に比べて低く篭った音へと変化し
いずれもやや力を込めてゆっくりと前後に、あるいは回転させるように動きます。
時間が長いこともあってそれぞれの音を十分に楽しめますし
音の質や動かし方も非の打ち所が無いほど優れているので多く人が癒しを感じるでしょう。
仕上げの梵天もふわふわとした質感と適度な圧迫感がありとてもリアルです。

このように、現実さながらのリアルなサービスをたっぷりと楽しむことができます。



心の汗を洗い流してくれる作品
様々な部分から癒しを与えてくれる総合力の極めて高い作品です。

「田舎で過ごす休日」のテーマに沿って専門店らしさを敢えてあまり出さずに
それぞれのサービスを素朴に、かつ心を込めて行っています。
機材の豪華さやサービスの奇抜さなどを見れば他の作品に分があるのですが
サービスそのものの表現力の高さやもたらされる癒しのパワーは
本作のほうが格段に優れています。

そう感じる最も大きな理由はサービス全体に流れがあるからだと私は考えています。

一番最初に行うマッサージは主人公が長旅で疲れているから
次の昼寝は心身が程よくほぐれて眠くなったから
その次のご飯もしばらく寝てお腹が空いたから、といったように
ひなたは常に主人公の心身の状態を観察しながら最適なサービスを提供します。

このおかげでサービス内容がまるで違うものになっても作品の雰囲気が損なわれず
聴き手としても「次はどんな展開が来るのかな?」という楽しみが湧いてきます。
癒し系作品でありながら全体としてのストーリーがきちんと出来上がっています。
これが本作品を聴いた時に感じた一番の驚きでした。

もちろんサービス自体も質の高い効果音や環境音を使ってリアルに表現しています。
中でも食事を用意するシーンはすべてを音だけで表現しているのに
何をやっているのかがきちんとわかるほど細かく描写されています。

そしてほとんどの部分を音だけで表現できるからこそ
ひなたのセリフをストーリーに関係のある自然なものだけにすることができています。
今まで培ってきた技術を活かして作品をより質の高いものへと昇華させています。

「もうちょっとだけ 一緒にお休みしたかったです」
また本作品には癒し以外にほろりと泣けるシーンも用意されています。
詳しいところは伏せますがちょっぴり切ない気分で聴き終えることになるでしょう。
こういう要素があるのも個性的でいいですね。

以上のことから今回も満点とさせていただきました。
良いところを挙げていったらキリがないほど様々な部分が優れています。
これだけの内容とボリュームで200円なのも本当に驚きです。
音声作品を知るすべての人にお薦めします。

おまけはひなたとお姉ちゃんのやり取りです。

CV:浅見ゆいさん、藤堂れんげさん(おまけにのみ登場)
総時間 本編…2:10:38 おまけ…4:40


オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

世話好きな彼女。

サークル「添音亭」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

前作「Fall in dream」からおよそ3ヶ月半ぶりの新作となるこちらは
風邪を引いた主人公を彼女が優しく看病する様子が描かれています。

サークルさんの一番の持ち味とも言えるハイクオリティな効果音を使いながら
彼女が身の回りのお世話をする様子を必要最小限のセリフのみで演出しています。
また今回はパートごとに彼の体調が回復していく時間の概念も取り入れており
心配そうにしていた彼女が次第に安心し、いつもの姿に戻っていく様子も癒しを与えます。



不摂生な彼氏を看病する家庭的な彼女
彼女に風邪の看病をしてもらうお話。

「あ もしもし 具合どう? 大丈夫?」
彼女は明るくて穏やかな声のお姉さん。
病気で寝込んでいる主人公の家にお見舞いにやってくると
泊り込みで食事など身の回りのお世話をします。

本作品は起きることもできない彼に
彼女が心配そうに声をかけたりご飯を食べさせてあげる初日と
その次の日、病気が快方に向かっている彼と一緒にご飯を食べたり
耳かきや添い寝のサービスをしてあげる2日目に分かれています。

内容が一部重複しているところもあるのですが
主人公の容態に大きな違いがあるおかげで
サービスのスタイルや彼女の態度・セリフも大きく変化します。
癒し系作品でありながら時間の流れを取り入れているところが大きな特徴です。

もちろんサークルさんが創設以来こだわられている効果音や環境音も健在。
今作では全編を通じて時計の音をバックに絶えず流しながら
諸々の行為を効果音のみで表現するシーンがいくつも登場します。

音の質だけでなく位置や距離についてもきっちり考えられていますから
まるで彼女が実際にそばにいてくれているかのような体験が味わいやすいです。
また総時間に対するセリフのボリュームがかなり少ないことを考えると
安眠特化であり音フェチ向けでもある作品と言えます。
その静かで落ち着いた雰囲気が自然な安らぎを与えてくれるでしょう。



時が経つにつれて変化していく情景と彼女の様子
初日のシーンは2パート16分間。
事前に電話をかけて主人公の様子を確認してから
彼女は泊まりの道具と料理の材料を揃えてやってきます。

ここでは台所で水枕や卵粥を作る様子がすべて効果音で演出されており
右手のやや遠い位置から水を流したり卵をかき混ぜる音が聞こえてきます。
時間が夜なこともあって家の周りもとっても静か。
おかげで今だけ時間がゆっくり流れているかのような感覚が湧いてきます。

「しょうがないな・・・ 今日は体調悪いから 特別だからね はい あーん」
彼女は彼とは長い付き合いのようで、日ごろの不摂生ぶりを心配しながら
お粥を1杯ずつふーふーしながら食べさせてあげます。
男性からすれば恥ずかしくもあり嬉しくもあるシチュですね。
自分のことを親身になってお世話してくれるその姿が心を潤します。

続く2日目は3パート67分間。
昼過ぎまで熟睡してすっかり体調が良くなった主人公と
彼女が今度は同じテーブルで向かい合いながらうどんをすすったり
リンゴをその場で切って差し出したりします。
ちなみにここでは時計の音以外に鳥の鳴く声などの環境音がほのかに流れます。

「お礼なんていいよ 好きでしてるんだし ずっとここにいるから 安心して休んでて」
食事中に食生活に関する注意をするシーンがあるものの
彼女は昨日と同じくとってもあまあま。
元々家庭的な女性のようで病気が治りつつあることに安心しながら
大好きな人と2人きりでいるこの瞬間を心から喜んでいる節が窺えます。
少しずつ普段の態度に戻っていくこの変化が面白いですね。

食事の後に行う耳かきは17分ほど。
膝枕の体勢で耳かき棒のみを使い、右→左の順にお掃除
最後に1回ずつ息を吹きかけるシンプルなものです。

耳かき棒は「ズリー ジッジッ」っとやや尖った軽い音が使われており
下から上へ、あるいはその逆に短いストロークを描きながら掻き出していきます。
耳の外側とか穴の奥といった部位の違いを設けていないところが少々残念ですが
音や動き自体は十分にリアルと言えるでしょう。

特に耳かき音をゴリゴリとした耳に響くものにせず
軽くくすぐる程度の刺激の少ないものにしているのがいいですね。
本作品は聴きながら眠ることを強く意識した作りになっていますから
眠りを妨げないようにとかなり優しい音で統一されています。

「やっぱり ご飯を美味しく食べられるのって 幸せだと思うんだよね」
また最中の彼女は緩やかな呼吸音を漏らしていることが多いのですが
普段の恋人同士が交わす他愛も無いやり取りも時折入ります。
それは彼女が彼の体調に対して一定以上に安心していることを意味します。
状況の変化に応じてセリフの質を少しずつシフトさせている演出も見事です。

「やっぱり来てよかった」
そして最後のパートは彼女に右に寄り添われながら眠りにつきます。
サークルさんの過去作同様ほとんどセリフが無く彼女の寝息だけが聞こえ続けます。
完全に寝るために聴くパートですからこういう演出も十分ありでしょう。

このように、音・サービス・セリフを上手に使いながら看病の様子をリアルに描いています。



優しさが心に染み入る作品
聴いてるだけで胸のあたりにぽっと明かりが灯る温かい作品です。

彼女が料理を作ったりそばにいてくれる様子を
バイノーラル録音による多種多様な音を使って感じさせてくれます。
そして合間に入る彼女の心配そうな、あるいは安心したセリフが
作品全体の雰囲気をより温かいものへと変化させています。

実際に聴いてみると他の作品に比べて無言の時間が結構多いです。
ですが彼女に存在感が無いとはちっとも思いません。
それは諸々の音を発しているのが彼女自身だからです。

そして音声作品の弱点とも言える説明的なセリフを排しているからこそ
物語の世界がいつも以上にリアルに感じます。
桃色CODEさんなどの音に強いサークルさんだからこそできる特徴的な演出です。

「寝込んでるときって なんとなく心細くなるもんね ずっとここにいるよ」
さらに作中で発せられるセリフが少ないからこそ
1つ1つに重みと言いますか、彼女の素直な気持ちがにじみ出ています。
彼女は滅多に病気にならない彼が倒れたことを心から心配しており
看病の最中は彼を安心させようとする言葉を何度も投げかけます。
その温かい声も相まって心がじんわりと温かくなるような思いがしました。

安眠効果については最後の2パートが効果音のウェイトを特に重くしてますから
それらを聴きながら眠るのがいいでしょう。
一番最後のおやすみパートは本当に心安らかに眠ることができます。

癒しに関する様々な要素をバランスを取りながら組み合わせている作品です。
安眠特化な仕様ですのでそれ目的で聴くのが一番なのですが
リアルで辛いことがあったなど、心に潤いを求めている人にもお薦めします。

CV:浅見ゆいさん
総時間 1:24:17


オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

Fall in dream

サークル「添音亭」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介するこちらの作品は
穏やかな物腰の年上彼女が耳かきや添い寝で安らぎを提供します。
過去作で培ってきたリアルな効果音や環境音がもたらす抜群の臨場感に加えて
今回は聴き手のニーズに合わせて2通りの聴き方を用意するなど
安眠音声としての機能性がさらにパワーアップしています。

彼女と過ごす静かで安らぎに満ちたひと時が
徐々に心をほぐし、安らかな眠りへと誘ってくれるでしょう。



安眠スタイルに合わせた2つの聴き方
彼女に耳かきや添い寝をしてもらうお話。

「あっ ごめん 見つめちゃってた」
彼女は穏やかで温かい声の女性。
秋の夜、美味しそうに夕食を食べている主人公を嬉しそうに眺めながら
彼女が自分の淹れた熱いお茶を飲むところから物語は始まります。

本作品は大きく2つのシーンに分かれており
最初は純粋な癒し系音声として彼女に長めの耳かきと添い寝をしてもらい
その後どういうわけかほぼ同じサービスを短めの時間で2巡、3巡と繰り返します。

サークルさんによるとこの作品は普通の安眠音声としてだけでなく
ループ再生することを想定した構成がされているそうです。
なぜこんな作りになっているかはネタバレになるので伏せますが
ちょっと変わった要素を持った安眠音声であることだけ頭に留めておいてください。

ちなみに1巡目だけはショートバージョンとロングバージョンが存在します。
安眠目的ならロングを、ループ目的ならショートを再生するのがいいでしょう。

「第一 私のほうがお姉さんだしね 年上を敬いなさい」
彼女は同棲中の主人公を励ましたりなだめる年上らしい態度を見せる一方で
お昼に食べたカレーうどんの汁が服についてるのに気付かず働き続けるような
ちょっぴりお茶目な部分も持っている女性です。

この先行われる耳かき・添い寝でも彼女の声や仕草は慈愛に満ちており
その表裏のない姿に多くの人が自然な癒しを感じるでしょう。

しかしそんな彼女も実は一つだけ秘密を隠し持っています。
それがいったい何なのか、最後に語られる真相を聴くことで
本作品に対する印象がそれ以前とは違ったものへと変わるかもしれません。
安眠音声でありながらちょっとしたストーリー性があるのも魅力です。



自然な安眠をもたらす静かで心安らぐ雰囲気
1巡目の最初に行われる耳かきは11分30秒ほど。
膝枕の体勢で右耳→左耳の順に耳かき棒のみを使って中を掃除し
仕上げに息を吹きかけるシンプルなものです。

耳かき棒は「シャク ズリ」という乾いた軽い音が使われており
耳の穴の中で上から下に、あるいはその逆にゆっくりとかき出すように動きます。
耳の外側や穴の入口、奥といった部分ごとに分けて掃除をするわけではないので
音が動き回ることはありませんが音質はとってもリアルです。

「今年もそろそろ会社にひざ掛け持って行かなくちゃ」
また耳かき中の彼女は耳かきに集中して無口になることが多く
合間に入る会話も二言程度の他愛もない話題に留まっています。
おかげで耳かき音や微かに聞こえる彼女の吐息
そしてバックで常に流れ続ける虫の鳴き声を思う存分楽しむことができます。

静かな雰囲気を非常に重視した、安眠の妨げにならない耳かきですね。
耳を切り替えた時に虫の音の位置が移動するなど細かい演出にもこだわっています。

「ほんと… あったかい…」
続く40分に渡る安眠パートも会話を極力少なくした落ち着ける作りです。
右側至近距離からゆっくりとリズミカルに聞こえてくる彼女の寝息が
耳への適度な心地よさと眠気をもたらします。
「敢えてしゃべらない」ことを徹底したサークルさんらしいシーンですね。

ショートバージョンはロングバージョンに比べて
どちらも効果音・環境音・寝息だけが聞こえ続けるシーンをカットしています。
会話量が元々少ない作品ですので、ストーリーのほうが気になる方は
とりあえずショートを聴いてから後日改めてロングを聴くのもいいと思います。

続く2巡目と3巡目は前項で言った通りほぼ同じサービスを短い時間で繰り返します。
3巡目の耳かきシーンだけは耳マッサージに切り替わるのですが
6分程度の簡素なサービスに留まっています。

「ん? 不思議そうな顔してる もしかして これも覚えがあるの?」
「あっ でももしかしたら その夢って思ってるのが現実で 今が夢かもね」

先ほどとまったく同じサービスが繰り返されていることに戸惑う主人公ですが
彼女はそんなことがあったのすら知る由もありません。
彼が心身に疲れを感じていると判断し、いつも通りに癒してあげます。

3巡目の安眠パートを終えた先、最後に彼女が何を語るのか。
ここだけは聴いてのお楽しみということで伏せさせていただきます。

このように、安眠を重視しつつ謎も秘めている一風変わったサービスが繰り広げられます。



安眠効果の高い作品
セリフを極端に減らし、その分をリアルな効果音を巧み使って表現することで
聴き手が自然に頭を空っぽにできるようにしている安眠特化の作品です。

食事中にナイフやフォークが食器に当たる音、お茶を淹れる音
彼女が布団に潜り込む際に鳴るふんわりとした自然な布の擦れる音など
物語の雰囲気を演出する様々な効果音が耳を楽しませてくれます。

過去作でも効果音のレベルの高さに定評のあったサークルさんなのですが
今回は音の間に無音の時間を適度に設けて静けさが際立たせているように思えます。
音そのものも眠りを妨げない優しいものばかり。
この静かでしっとりとした空間に浸っているととても気持ちが落ち着きます。
特に1巡目の安眠パートは眠くて眠くて仕方ありませんでした。

そんな純粋な安眠性能の高さに留まらず
彼女にちょっとした謎を設けて聴き進める楽しさを提供しているところも見事です。
本当に最後の最後まで聴かない限りどう転ぶかがわかりません。
それほどまでに彼女は徹底して落ち着いた態度を貫き通します。

といっても癒し系作品ですからそこまでブラックな結末を迎えるわけではありません。
彼女の普段とは少し違った顔を垣間見ることができる程度です。
でも安眠音声ではあまり見かけないオチだと思います。

現在の長所を生かしつつ新しい事にも挑戦しようとする
サークルさんの心意気が感じられた作品です。
年上好きや安眠を求める人にお薦めします。

CV:浅見ゆいさん
総時間 共通パート…29:13 1巡目ショート…14:38 1巡目ロング…52:09


オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

お家でゆっくり癒されませんか?

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、可愛いお姉さんが頭と耳を重点的にケアしてくれます。
癒しの要素として既に不動の地位を築いている耳かきに加えて
整髪・洗髪・頭皮のマッサージなど様々なサービスを行いながら
リアルで多彩な効果音を思う存分聞かせてくれます。

まるで実際にそれらを行われているような気分を味わいながら
彼女の声や息遣いを聞いていると自然なリラックスが得られるでしょう。



癒しを得るには身だしなみから
お姉さんから様々な癒しのサービスを受けるお話。

「風邪ひいちゃいますよ ほら 起きてください」
お姉さんは優しくて温かみのある声の女の子。
お疲れ気味な主人公を癒すために、頭や耳のお手入れをしてあげます。

本作品は家の中で彼女に整髪、洗髪、顔の産毛剃り、首と肩のマッサージ
耳の産毛剃り、耳かきと実に6種にも及ぶケアを受けている様子を聴いて楽しみます。
耳かきは今でもコンスタントに作品が出続けていますが
他についてはシロクマの嫁さんやドット*ハーフさんなど一部の作品でしか聴けません。
まさにエッチ抜きでの癒し要素をてんこ盛りした総合的な癒し系作品です。

もちろん本作品の売りはサービスの多彩さだけに留まりません。
声と効果音の両方をバイノーラル録音し、音のリアルさ・上下左右の位置・距離など
様々な部分にとことんこだわって作られています。
彼女が器具を準備している様子を音だけで表現しているシーンもありますし
音声作品全体の中でも非常に高いレベルの効果音が楽しめます。

「まずは髪をシャキッとして 気持ちも引き締めましょ?」
一番最初に行う整髪はまず椅子の下に新聞紙を置き
専用のハサミやすきばさみを使って左から右へと切りそろえていきます。
彼女の声が中央後ろのやや上に位置して実際に整髪をされている感じを出しながら
「シャキ サク」という小気味良い音が軽快に鳴り響きます。

そして効果音をただ単に垂れ流すのではなく
10秒前後の短い間隔で音のタイプやペースが小まめに切り替わるのが実に見事です。
聴いた感じですと実際にこれらの動作をやりながら録音されたのでしょう。
そうでもない限りまず再現不可能なくらいの変化に富んだ音が刻まれています。

その後に行われる洗髪も隙がありません。
シャンプーの際にはわしゃわしゃとしたざらつきのある音が時には軽く円を描き
またある時には左右別々に小刻みに擦れて耳に心地よい感覚をもたらします。

仕上げに行うドライヤーの音も普段は頭に風が当たってる感じがするだけなのですが
風が耳の穴に来ると途端に「ぼぼぼぼー」という音に変わるのがいいですね。
息を吹きかけられるのとは違ったタイプのゾクゾクが味わえます。



至れり尽くせりなお耳のケア
後半に行われる耳のケアの最初は産毛取り。
専用のシェーバーを使って毛を剃ってから泡で洗浄し
綿棒で汚れを取って最後に泡を拭き取ります。

「綿棒で泡がつぶれる音 なかなか味わえませんよね」
産毛剃りはモーター音を適度に近づけたり遠ざけたりするくらいなのですが
その後の泡洗浄は「ジョワー ピチピチ」というちょっぴり刺激的な音が耳を覆います。
食器洗い用のタワシを擦り合わせているような音、とでも言えばいいのでしょうか。
他の作品では聴いたことのないクセになる音でした。

メインのサービスとなる耳かきは26分間。
お姉さんに膝枕をしてもらいながら綿棒で入り口や中の汚れを取り
その後2種類の耳かき棒を使って奥をお掃除してから梵天と息吹きをします。

綿棒は「ズリー ススッ」と若干ざらつきのある音
耳かき棒は細いものだと「スイー シュルー」という軽く乾いた音が使われており
耳の形状を考えて外側の時は長めのストロークで楕円を描くように
中は外にかき出すような動きを繰り返したり小刻みに動かすなど
どのシーンも本当の耳かきに極めて近い音を鳴らしています。

「先がゴムのブラシになっている耳かきです 珍しいですよね」
さらに本作品でしかお目にかかれない特殊な耳かき棒が登場するのもポイント。
「ジョリジョリ ズイッ」という耳かき棒と綿棒を足して2で割ったような音が鳴り響きます。
音そのものだけでなく音の鳴る範囲も非常に個性的で
耳かき棒らしい硬さもあるのですが、面積が広いからか同時に柔らかさも感じます。
その独特の音と圧力に多くの人が心地よさを感じることでしょう。

「顔がこっちを向くと ちょっと恥ずかしいですね えへへ」
サービスをしている最中のお姉さんについては
行為に身を入れているため、区切りに「~をします」と言う場合がほとんどです。
彼女とのやり取りを楽しむよりも音を楽しむ音フェチ向けの作品と思ってください。

このように、本物のサービスさながらのハイレベルな効果音が存分に楽しめます。



最高レベルの音フェチ作品
自然で綺麗な音の数々が心をスッキリとさせてくれる作品です。

まるで専門店で行っているかのようなきめ細かいサービスを
リアルで立体的な音をふんだんに駆使して忠実に再現しています。
諸々のサービス部分のみならず、その繋ぎの部分にもしっかりと効果音が用意されており
それによって自然な流れが生まれているから違和感なく楽しめます。
現時点でこれに並ぶ音が出せるサークルさんはおそらくほとんどいないでしょう。

どのシーンでも音に明確な個性があり、それがいずれも違うから聴いてて飽きません。
これだけのバリエーションがあれば「おおっ!」と思う音がきっといくつもあるはずです。
そしてどの音も耳に優しいから長時間聴いても苦になりません。
音に多彩さを持たせつつ、きちんと癒しも見据えているところが素晴らしいです。

本当に色々な音が登場するのですが、個人的に一番印象に残ったのは
耳を泡洗浄する時に鳴るパチパチとした音です。
クリアでありながらも若干籠っているから耳に被さってる感じがします。
何かを動かした時に鳴る音はある程度表現方法の予想ができるのですが
物がそこにある様子を音だけで表現するのはとても難しいと思うんです。
だから泡の存在感を音だけで実感できたことが非常に新鮮でした。

「こうして頭を撫でてると 愛おしくなって ぎゅってしたくなっちゃいます」
音が主役になっている分、脇役感が拭えないお姉さんも
一番最後の安眠パートでは存在感を発揮してくれます。
秋の夜にふさわしい虫の声の鳴る中、彼女に抱かれている情景は安らぎに満ちており
その静かで温かい空間が自然な眠りへと誘ってくれるでしょう。

サークルさん自身が「音の総集編」と言われている通り
他に並ぶものが無いレベルの音が浴びるほど聴ける作品です。
総時間1時間30分に対して価格が200円とコスパも文句なし。
前作に引き続き今回も満点とさせていただきました。

CV:浅見ゆいさん
総時間 1:34:15


オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

おひるねびより

サークル「添音亭」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

こちらは優しい彼女に耳かきや添い寝をされながら
のんびりと休日を過ごす気分が味わえる作品です。
毎回リアルな環境音を聴かせてくれるサークルさんの今回のテーマは「住宅街の音」。
閑静な住宅街ならではの様々な音が自然な雰囲気を形成し、癒しを与えてくれます。



休日は彼女とのんびり
家で彼女とごろごろするお話。

「読み終わっちゃった この本結構面白かったよ」
彼女は明るく穏やかな声のお姉さん。
主人公の恋人として一緒に本を読みながら折角の休日を2人きりでのんびり過ごしています。

本作品は2人が家で過ごしている様子を主に環境音を使って演出しており
音声が始まると早速様々な音が聞こえてきます。
具体的には風の吹く音、車・バイク・飛行機の通り過ぎる音、犬や鳥の鳴き声などです。
そして住宅街らしさを出すために、それらをいくつか重ねるようにして鳴らしています。

実録したとしか思えないほどリアルな音に加えて
現実に即した違和感のない鳴らし方も物語の舞台に臨場感を与えています。
環境音を鳴らす作品自体は最近増えてきているのですが
こういう複合的に鳴らすタイプの作品はまだまだ少なく、強烈な個性にもなっています。

またシーンは少な目なのですが家の中での効果音にも非常にこだわっています。
例えば冒頭で彼女がお茶を淹れてくれるシーンがあるのですが
ぺたぺたと足音を鳴らしてまず冷蔵庫からお茶を取り出し
それからコップを2個持ってきて今度は冷凍庫を開け、氷を入れた後にお茶を淹れる。
これらの動作をすべて効果音のみで表現しています。

今回はバイノーラル録音なだけあって音の位置や距離感もバッチリ。
体験版でも確認できるシーンですので気になった方は是非聴いてみてください。
とんでもなくリアルです。

「今日はお家でまったりプランだから ごろごろするの」
一緒に過ごす彼女も恋人と家で休日を過ごしているのがわかるように
声が常にリラックスしていて聴いていると自然とこちらもほぐれてきます。
どちらかというと音フェチ寄りの作品なので彼女の出番は控えめなのですが
それでも柔らかで温かい物腰が一定以上の癒しを与えてくれます。



移り変わる環境音を聴きながら
最初に行う耳かきは14分間。
右耳→左耳の順にまずは耳かき棒を使って大きな汚れを落とし
しばらくしたら綿棒に切り替えて細かくお掃除するシンプルなものです。
ちなみにここでもバックで常に環境音が流れます。

耳かき棒は「ソリ ズッ」と乾いた軽い音
綿棒は「ショリ ズズッ」と耳かき棒より重く籠った音が使われており
前者は下から上へかき出すように、後者は撫でる感じに動きます。
音も動かし方もリアルな方と言えるでしょう。

家庭的な耳かきらしくそこまで凝ったことを行ってはいませんし
時間についても主人公が定期的に自分で耳かきをしている設定があるため
長すぎず短すぎずで丁度いいくらいだと思います。

「ん? 耳冷たかったから気持ちよくって 嘘だよ 温めてあげようと思ったの」
耳かき中の彼女はあまりしゃべらず主に吐息を漏らし続けます。
こちらも耳かき音や環境音をメインに楽しむような作りですね。
耳かきを終える頃に彼女がおそらく手を使って耳を塞ぐシーンがあり
そこでは実際に塞がれたかのように急に音が聞こえにくくなる面白い感覚が味わえます。

「なんか眠くなってきちゃったなぁ ちょっとお昼寝しよ?」
そして耳かきが終わったところで2人一緒にお昼寝をします。
時間が約40分ありますからここがメインのパートと言えるでしょう。
過去作同様彼女のセリフはかなり少なく、主に寝息や環境音を楽しみます。

リアルタイムに変化する風の強さ、通り過ぎる人や車両、鳥・犬・虫の鳴き声など
本当にその場にいるかのような音の数々が耳に心地よさを与えてくれます。
ここまで多彩な環境音が登場する作品は他に聴いたことがありません。
音声の時間が進むにつれて物語の場面も本当に目まぐるしい変化を見せます。
住宅街らしいというより住宅街そのものです。

そんな中彼女だけはすぐ近くで動かずリズミカルに寝息を立てている。
この静と動の対比が非常に印象的でした。
周りがそれなりに騒がしいからこそ、部屋の中はより落ち着いて感じられるのだと思います。

諸々の音を使って作品の世界を見事に作り上げていると言えます。



多種多様な音を楽しめる作品
環境音や効果音の質や鳴らし方にとことんこだわり
その結果現実世界に近い雰囲気を出すのに成功している作品です。

環境音自体は元々癒しを与える要素として割と昔から使われていたのですが
それらは例えば風の音とか波の音といったように
単一の要素をループさせて使う場合がほとんどでした。
唯一の例外と言えば「立体音響娘2-先輩と図書館に行こう!-」くらいです。

今年に入って桃色CODEさんや藤和工場さんなど一部のサークルさんが
かなりリアルな音を取り入れた作品を出して好評を博していますが
それでもキャラやシーンを引き立てるための脇役に留まっています。
しかし本作品では主役に近いほどの存在感を持っています。
これが一番の驚きでした。

さらに音の位置や距離感までしっかりと表現されているのが素晴らしいです。
車や人の通り過ぎるシーンでそれを強く実感するでしょう。
10秒後にはまったく違った音が聞こえてくるから飽きが来ません。
むしろ「次はどんな音が来るのかな?」とちょっぴりワクワクしてきます。

それ以外の要素(彼女、耳かき、お昼寝)については
あまり過度な演出を行わず環境音に自然に溶け込めるようにしています。
普通は主役になる要素を脇役っぽくしているところもやや特殊です。

注意点は環境音の関係で主にバイクのエンジン音が結構流れることです。
この手の音が苦手な人にはあまりお薦めできません。
リアルさを追求するあまり、肝心の癒しから若干離れてしまっているようにも思えます。

著しく環境音に傾倒した個性的な作品です。
「バックが無音の耳かき音声だと逆に落ち着かない」とか
音声作品にちょっとした騒がしさを求めている人にお薦めします。

おまけは「休憩したら?」「15分仮眠」「目覚まし」の3つです。

CV:浅見ゆいさん
総時間 本編…58:29 おまけ…17:26


オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります

縁側でまったり耳かきとお昼寝

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

同サークルさんの有料処女作となるこちらは
とても丁寧な言葉遣いをする女の子が耳かきと添い寝で癒してくれます。
既にニコニコ動画に4本ほど耳かきボイスドラマをアップされているだけあってレベルは高く
耳かき音や環境音といった音を重視した作品としてかなりの完成度を誇ります。

約45分の時間に対して価格がたったの100円とコスパの高さも驚異的。
お手軽に癒しが得られるとっても良心的な作品です。



ふわふわな女の子がお届けする癒しのサービス
縁側で女の子に耳かきや添い寝をしてもらうお話。

「あれ? こんなところで何やってるんですか?」
女の子は礼儀正しく穏やかな声の女の子。
縁側で寛いでいる主人公に耳かきを提案します。
2人の関係は言葉遣いから察するに、恋人ではなく先輩後輩あたりでしょうか。

本作品のメインは耳かきと添い寝で時間はどちらも約20分。
女の子とのやり取りについてはそこまでセリフを多く置かず
効果音や環境音をたっぷり聴かせる音フェチ向けの作りとなっています。

最初の耳かきは膝枕の状態で右→左の順に
水で浸したコットンで拭いてから耳かき棒で浅い部分と奥のお掃除
梵天で細かい汚れを落として最後に息を吹きかける家庭的なタイプです

コットンは「ジジュリッ ズッ」と軽さを感じる乾いた音
耳かき棒は「ズズジー ジョリッ」と若干尖りのある滑らかな音
梵天「ジュリッ パチパチ」とふわふわした感じのする音、と個々に専用の音が用意されており
それぞれが器具の特性に適したリアルな音を鳴らします。

もう少し具体的に言うと、コットンで拭くときは主に上下で動いて
耳の縁ではクリアな音、穴の付近ではやや籠った音と
耳のどのあたりを拭いているかできちんと音質が変化します。

耳かき棒も手前に比べて奥を掃除するときは籠った重みのある音になりますから
それぞれの音質と得られる感覚の違いを楽しむことができるでしょう。
どちらかというと奥の方が耳に響いてゾワゾワするでしょうね。
個人的には梵天が最もリアルで面白い音だと思います。

「梵天のふわふわで 眠くなっちゃいません? 私は人にされると眠くなっちゃいます」
またここでの女の子は何を使ってどこを掃除すると言うくらいで
最中は極まれに小話を挟む以外は呼吸音だけが聞こえてきます。
効果音と呼吸音だけが聞こえ続ける空間は、本当に静かで落ち着いた雰囲気を持っており
耳への感覚も手伝って心地よい眠気を感じる人もいるでしょう。
音には言葉のように意味がありませんから頭を空っぽにして聴くことができます。



爽やかな風を感じながら
次の添い寝パートは耳かきで眠くなった主人公を女の子が寝かしつけます。

「少しだけ ガラス戸も開けましょうか 風が入ってきて気持ちいいですよ」
ここでは耳かきパートでは聞こえてこなかった環境音が鳴りはじめるのがいいですね。
夏の暑さを吹き飛ばすような爽やかな風の音が耳に涼を与えます。

もちろんただ単に風の音が鳴り続けるわけではありません。
自然の風と同じく時には強めの風が吹いたり、時には無風になったりと
割と短い間隔で風の強さが適度に変化し、舞台に臨場感を与えます。
風が強くなった時にだけ風鈴が鳴り響くなど音の鳴らし方もバッチリ。
生活していれば誰でも耳にする音だからこそ耳に染み込みやすく
その自然さによっても癒しが得られます。

「子供の時 お母さんがよくしてくれたんです こうやって お布団を ぽんぽんって」
そして環境音以外にも女の子が布団越しにぽんぽんと軽く体を叩いたり
頭を撫でたりして心安らぐ空間を演出します。
ここでの彼女は耳かきに比べると話すようになるのですが
それでも一般的な作品に比べれば少な目で静かな感じがするでしょう。

「こうやって くっついて寝るの 好きなんですよね 一人じゃないって なんだか 安心してしまって」
途中から彼女も眠くなって一緒の布団で寝る際の寝息がとても近く
その安心しきった様子にも心温まるものを感じました。
夏の日の午後に縁側でのんびりと昼寝をしている姿が上手に描写されています。
聴いたまま寝ることを想定した安眠向けの作りですね。



効果音を存分に楽しめるとってもお得な作品
100円とは思えないほどに色々と作り込まれている作品です。

シーンごとに主役となる音を別々に定め
それらをリアルに鳴らしながら癒しと没入感を与えてくれます。
音が個々に用意されているところまでは予想していたのですが
動きやシーンに合わせてそれらを使い分けている演出面には驚きました。
特に風と風鈴の鳴らし方の組み合わせが絶妙で素晴らしいです。

耳かきについても耳かきそのものだけでなく
膝枕をする際に布が擦れる音やコットンに水を浸す音までもが入っており
他にもセリフを挟まず効果音だけで行動を表現しているシーンがいくつもあります。
これらは大手のサークルさんでもごく一部でしか行われておらず
それを有料処女作で、しかも100円の作品でやられているのは驚嘆に値します。

聴く前は正直「100円だから大したことないだろう」と思っていました。
でも実際は一般的な耳かき音声と普通に渡り合えるレベルのクオリティを持っています。
いい意味でかなりヤバい作品です。

他には効果音がバイノーラル録音だそうで
添い寝パートで女の子が布団を取りに行くときの足音などに立体感があります。
残念ながら声についてはバイノーラル編集なのでそこまで立体的でもないのですが
効果音は位置や距離感が掴みやすい方と言えます。

総合的に見てパーフェクトな作品と判断しました。
「ここはこうしたほうがいいんじゃないか?」と思った部分もいくつかありますが
100円という価格を考えればどれも些細なものです。
そんなわけで本作品を全年齢向けでは6本目の満点とさせていただきました。

CV:浅見ゆいさん
総時間 46:49


オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

追記
ニコ動にアップされている音声のURLはこちら。すべて無料で聴けます。
http://www.nicovideo.jp/mylist/44587779

波の音と彼女に癒される安眠音声

サークル「添音亭」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

こちらは旅行中の彼女とのやり取りを描いた作品で
海辺のホテルの一室で彼女が耳かきと添い寝をしてくれます。
添音亭さんと言えば質の高い環境音を扱うサークルさんとして有名ですが
今回は静かな波の音に加えて細かい部分の効果音でも耳を楽しませてくれます。



仕事を忘れて2人でのんびり
恋人の有希とホテルの部屋で寛ぐお話。

「ねぇ こっちおいでよ 風涼しくて気持ちいいよ?」
有希は明るくて優しい声の女の子。
主人公と一緒に現在旅行中で、海に面した部屋のバルコニーで夜風に当たりながら
今日あった出来事をあれこれと話します。

本作品は耳マッサージ+耳かきが20分、その後の添い寝が36分と
サークルさんの過去作同様、聴き手を安眠させるのに特化した作りをしています。
前者は効果音、後者は環境音を中心にしており
有希もそれなりに話しますが基本的には諸々の音に最も癒しを感じることでしょう。

「せっかく羽伸ばしに来たんだし とことん癒してあげようと思って ちょっと用意してたんだ」
部屋に戻った後の最初のサービスである耳マッサージは
彼女の膝に仰向けに寝転んで初めは両耳、続いて片方ずつ丁寧に行います。

開始前に彼女がバッグから道具を漁って
流しの水で綺麗に洗う動作も効果音で表現されているのがいいですね。
本作品は準備や移動などの合間の部分にも効果音を入れているのが特徴の一つで
通常は無音で処理されるところもきちんと演出されている分、物語により臨場感が出ています。
桃色CODEさんの「道草屋」シリーズが得意とされている表現方法ですね。

もちろんメインとなるマッサージ音もオイルが微妙にべたついていてとってもリアル。
「スイー ジー」という滑らかな音が4段階くらいのスピードを小まめに変化させながら
耳のあたりを軽く円を描くように動き回ります。
マッサージは今回が初のはずですが完成度が高くてびっくりしました。

続く耳かきは右→左の順に耳かき棒のみを使用して行います。
仕上げの梵天や息吹きはありません。
「ズリッ ジョッ」と若干ざらつきのある乾いた音が使われており
下から上にかき上げるような短いストロークでリズミカルに動きます。
音質が前作「深層世界で癒される安眠音声」と非常に似ていることから
そちらの音をそのまま流用したのだと思います。

「もうヒント言わなーい あんまり言うと 見る楽しみ減っちゃうでしょ?」
また有希は最中に吐息を漏らすか軽く話しかけてくる程度で
効果音だけが流れ続ける時間が多い分、頭を空っぽにしてゆったりと寛げます。
会話の内容も恋人同士らしい他愛もないものばかり。
それらが作り上げる和やかな雰囲気も心を自然とほぐしてくれるでしょう。



寝息と羊数えを聞きながら
「あっ 窓開けといていい? 波の音が聞こえてくるから 気持ちよくって」
2つのサービスで程よくリラックスした後、有希に添い寝をされる形で眠りにつきます。
耳かきでは聞こえなかった波の音がここで再登場し
右の耳元から聞こえてくる彼女の寝息と合わさって穏やかな空間を演出しています。

添音亭さんはこの添い寝パートでセリフが極端に少ないのを作風とされています。
添い寝と言うと心温まるお話をある程度してから寝入るケースが多いだけに
初めて聴く人だとびっくりするかもしれません。
本作品においては環境音や寝息がそれらの役割を果たしていると思ってください。

「ん? まだ起きてるの? 私も なんか寝付けなくって」
さすがに何もしゃべらないのは味気ないだろうと思われたのか
中盤に差し掛かったあたりで彼女が羊を数えてくれます。
数が増えてくると彼女がとても眠そうな声に変化し
それにつられてこちらもあくびが出る、なんてことも十分にあり得ます。

まさに聴き手を眠らせることに特化した安眠誘導音声と言えます。



安定の安眠作品
有希のキャラ・効果音・物語の雰囲気、そのすべてが癒し一色で統一された作品です。

有希は恋人同士にふさわしい、やや砕けた親しげな態度で接してくれますし
波や耳かきの音についても聴いていて棘を感じる部分が一切ありません。
それらが合わさってとても穏やかな、安らげる雰囲気を作り出しています。

今回は元々の売りだった環境音だけでなく
人が動くことによって生み出される様々な音についても力を入れています。
環境音特化から環境音+効果音へとややシフトして
一般的な癒し系作品に若干歩み寄ったような印象を受けました。

しかしそれだと個性が薄れてしまいますから
耳マッサージなどの新要素を加えてきちんとサークルさんらしさも残しています。
何より添い寝シーンの極端な構成が活きている以上
添音亭さんの色は相変わらず強く残っています。

環境音については安定のリアルさで十分に癒しが得られます。
冒頭と添い寝シーンで合計40分ほどなら時間的にも十分でしょう。
強いて言うならバルコニーとベッドとの距離を考えて
添い寝パートは冒頭よりも波のボリュームを下げたほうがリアルだったかなと。
今の音量だとベッドよりは浜辺で寝ているような気がします。

やや特殊な部分を持った癒し系作品です。
寝る前に聴くのが一番ですが、嫌なことがあったとか心が傷ついたときに聴くと
多少なりともそれが和らぐのを感じるでしょう。

CV:浅見ゆいさん
総時間 59:53


オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります

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